再びイーシャンテンになる。
リーチと比べて打点こそ下がっているが、テンパイする受け入れは・の6種類と先ほどの3倍になっている。
2巡後、をツモり選択を迫られる。
形の良いは残すとして、かのどちらかを落とす必要がある。
形だけで言えばを落としてを残すのが一番効率が良い。
ピンズが先に埋まってテンパイした時に、一見同じペンチャン待ちに見えるが、を残した方がその後の変化が多い。
例えばを引いてテンパイした場合、
この形からを引けばリャンメンに変わり、をポンすればのノベタンにとることもできる。
シャンポン待ちからを引いてのリャンメン変化も見込めるが、
はシャンポンに変化する種類がの2種類に対して、
はの4種類だ。
ただ今回はがドラで、ペンから変化しなかった場合は待ちが弱い。
そして優目線だとが3枚、は5枚も見えているので変化が乏しい。
黒沢の親流しを局のテーマにするならば、少しでもアガり安いを残す選択も充分にあり得る。
難しい局面だが、優の選択は落としだった。
理由は3つあり、1つは単純に打点の高さ。
待ちになれば最低3,900点、が絡めば8,000点にだって成り得る。
トップ目高宮との点差18,000点を追う優にとっては非常に評価の高いポイントだろう。
2つ目が岡田から手出しされた。
ドラそばのを先に切っても手に残していたは手牌に関連していて、かを1枚以上持っている可能性が高い。
下手するとを複数枚もっている可能性だってあり得る。
そして3つ目が直前に切られた黒沢のドラ表示牌だ。
このは優の視点から3枚目。
4枚目を黒沢が持っている可能性がやや下がる。
が手の中に1枚で手牌に関連しているパターンといえば、周りの牌が暗刻やトイツになったパターンがある。
と持っているところにを引いてを切った場合や、今回のようにドラがでからドラ対子を固定したパターンなど。
しかし、優はこのを見て黒沢にドラが複数枚持たれていることはないのではないかと感じていた。
根拠は切りの間合いだった。
映像を見るとわかるが、黒沢はを切る際に少し考えてから切っている。
この少考から、ドラ対子に固定した勝負できる形になっていないのでは?と読んだらしい。
感覚的で言語化が難しい根拠ではあるが、実際に優の読みは当たっていた。
黒沢はドラのを持っておらず七対子のイーシャンテンだった。
七対子とメンツ手の両方が狙える手になっている。
を切るとドラの受け入れが無くなるが、七対子として使うことはできるため、まだどちらも狙うことができる。
テンパイが入ったのは2巡後だった。
まず黒沢がを引きテンパイを入れる。
単騎の七対子でリーチをかける。
続いて優にもテンパイが入る。
を引きペン待ちになる。
どちらの待ちも2枚ずつ山に残っていたが…
アガったのは優。
で1300-2600をツモりあげる。
もし優が残しを選んでいると、黒沢のリーチ宣言牌がなのでチーして待ちのテンパイを取ることはできた。
ただ黒沢の単騎も山に2枚残っていたため、めくり合いの結果がどうなっていたかは分からない。
もし黒沢のアガリ、または流局になって黒沢の親が続いていた場合
優のトップを決めるアガリとなった次局の親の満貫も無いことになるため、全く別の結果になっていただろう。