残り枚数を1枚増やして、本田との真っ向勝負。
さあ、どっちだ。
本田が、醍醐のアガリ牌を掴んだ!
醍醐だ。醍醐の勝ちだ。
・・・いや、カンか。カンだった。暗槓だ。
逃れた。
怖い怖い当たり牌は、卓の右隅にエスケープ。
が、本田はこのカン自体にまず、迷いがあったのだという。確かに暗槓を晒す右手が覚束なかった。そして、自山の新ドラに手を伸ばす。あの、震える指先。
この醍醐の親番さえ蹴れば、残りは2局で50000点超の持ち点。ほぼトップだ。
ここが勝負所と決めた武者震いか、はたまた。
飄々とした表情からは何も読み取れない。
そして醍醐は最後のツモで、本田のロン牌である
をつかむ。
押し切るか、それとも引くか。
全体牌図でじっくり且つねっとり確認すると、
・
・
がすべて見えていることもあり、リーチの残り筋は僅か2本。
–
と
–
しかない。すなわち約50%の放銃率では無理だ。親権を維持したい気持ちを堪え、醍醐は打
としてオリを選んだ。
そして、何やら考えている男が。
この半荘を通してほとんど見せ場がない下石だったが「できることはぜんぶやる」スピリットで、手詰まりで困っているようにみえる醍醐への、嫌がらせをたくらむ。
そう、悪魔のプレゼント。ハイテイの送り込みだ。
届いた瞬間、着払いで叩き返したいやつ。
下石のプロ技が光る「ちょっかい」により、醍醐の4センチを構成するは、無筋・無筋・ドラドラ。ひどい。あまりにも酷いが、
最も通りやすいドラを選んで、流局。
本田のひとりテンパイか。
だ、だ、だ、醍醐さん!?
すん、としてる場合じゃない。
流局の儀式!
出番ですよ!
醍醐は、自身のハイテイの摸打で流局したにも関わらず、最初にノーテンで牌を伏せるのを忘れてしまっていたようだ。
それだけ神経を削られた、極限の状態だったのかもしれない。脳疲労とか過集中ってやつ。
本田の手は震え、醍醐は牌を伏せる動作を瞬間忘れた。
勝負の最中、選手たちはどこまで神経を研ぎ澄ませていたのだろう。
誰にもアガりが発生しなかった今局が、最も壮絶で、印象的な局でもあった。
南3局2本場
すでに5万点を超える持ち点を有し、ラス前の親番を迎えた本田。
ゴールは目の前だ。
5巡目にして、早くもくっつきテンパイの形。充実一途だ。
点数状況的には王様タイムも可能。ここからさらに突き放すか。
だが、好事魔多し。
醍醐が高目三色の
–
待ちで先制リーチ。
なんだよ、「北陸の役満プリンス」たる王子には、まだ王の玉座に座るのは早いってことなのかよ。
松本も形をギリギリまで保ち、虎視眈々、チャンスを窺っている。
しかし、ここで無筋2枚目の到来。イーシャンテンからは押しにくいが。
通っていない
をプッシュ!
ここまで見せ場のなかった松本の意地を見た。痺れる闘牌だ。










