今シーズンは本来の
自分が出せている
自分が経験したことのない
ファイナルの舞台へ
昨シーズンからEX風林火山に加わった二階堂瑠美は、デビューイヤーは苦戦をしたものの、今シーズンはすでに昨シーズンを超える4勝を挙げ、ほぼプラスマイナスゼロという数字を残している。数々の大舞台を経験してきた瑠美は、ファンの応援を力に変え、自身がまだ経験したことのないファイナル、そしてチーム2度目の優勝へと思いを馳せる。
──瑠美選手はMリーグで2シーズン目となりますが、ここまでの手応えやチームの状況についてはどのように感じていますか。
チームの状態はすごく良いと思います。私自身は昨シーズンと比べて、方針というか、チーム内での情報の共有ができているので、打っているときの感覚は昨シーズンとは段違いで良いですね。
ここまではトップとラスの回数が同じで、個人のポイントはマイナスなんですけど、そんなに悪くはないと思っています。
──打ち方や意識の面など、今シーズンで具体的に変えたところはありますか。
昨シーズンはとても遠慮していた部分があって、自分の好む打ち方ではなく、説明がつけられる無難な選択が多かったんですけど、今シーズンは割と自由に打てています。
対戦相手や状況に関する情報は昨シーズンとあまり変わっていないですけど、私の意識だけが変わった感じですかね。
──ある意味、本来の力が出せてきている、ということでしょうか。
力が出せているかどうかは分からないですけど、自由にやらせてもらっています。
──今シーズンはセミファイナルまでで負けるとチームの選手が入れ替えになってしまいます。そこに対するプレッシャーについては、今はどのように感じていますか。
シーズンが始まる前にも言っていたんですけど、今シーズンにチームが選手入れ替えの対象になると、たぶん私が入れ替えになると思っているんですね。
背水の陣的な感じで言っていましたけど、ただ、やることは変わらないじゃないですか。状況がそうであったとしても、打ち方は今のところ、まだ私は変わっていないし、チーム戦なのでまだその実感、プレッシャーを感じるほどの状況にはなっていないと思います。
もう少しシーズンが進んで、セミファイナル後半とかになってくると痺れる感じになるのかなと予想はしていますけど、やってみないとわからないところはありますし、わからないこと、考えてもどうしようもないことを考えているのは有益ではないと思いますので、あまり気にはしていないという感じですかね。
幸い、レギュラーシーズンは割とみんなが好調で、チームメートが頼りになるところが大きいと思うんですよ。
みんなで支え合って、補い合ってやっている感じなので、このメンバーで負けちゃったらしょうがないかなというところもやっぱりあると思います。私1人で頑張らなきゃ、みたいなプレッシャーみたいなものは、本当にないですね。
あと、昨シーズンはたしか、セミファイナルでは1回しか打っていないので、ファイナルの戦い方とかもまだ全然知らないですし、もし残れたとしても、昨シーズンとは得るものがいろいろ違うのかなと思います。
今シーズンでセミファイナルに残れたら、昨シーズンよりは1回でも多く任せてもらえるくらいの、チーム内においての信頼感を作れたらいいなと思います。
──昨シーズンと比べて、ファンの方の応援について感じるところが変わってきた点はありますか。
増えた気がします。昨シーズンよりも「Mリーグを見ています」「応援しています」という声が、若い方、女性の方とか、麻雀を打たない方からすごく増えたなと感じます。以前からもあったんですけど、すごく増えた印象ですね。
──瑠美選手は長年にわたって麻雀界を引っ張ってこられてきましたが、当時と比べて感じるところもあるのではないでしょうか。
業界を引っ張っているという自覚はあまりないのですが(笑)、いい時代になったな、と思います。
麻雀を覚え始めて、普段はあまりやらないけど見ることが楽しくなってきたという声とかがすごく増えて、イコール麻雀の普及になっているかどうかはまだわかりませんが、以前までだったら、麻雀をやってもらって麻雀番組を見てもらって麻雀プロを応援してもらって、みんなで麻雀やろうよという感じで来ていたと思うんですけど、その時代とは変わってきているわけじゃないですか。そこら辺が今後どうなっていくのかなという感じでは見ていますね。
たぶん、藤田さん(藤田晋チェアマン)的には野球とかサッカーとかと同じ位置に引っ張っていきたいんだと思うんですよ。麻雀のイメージとかもそうですし、麻雀という競技のポテンシャル、選手やゲーム自体も含め、どうなるのかなと思っています。
──最後に、応援してくださるファンの方に向けて、後半戦への意気込みをいただけますか。
できれば、私が経験したことがない、体験したことのないファイナルへと進んで、私がいる間にEX風林火山2度目の優勝を経験したいと思っていますので、応援よろしくお願いします。
──ちなみに、そういうすごくプレッシャーがかかる場はお好きですか。
私、普段はあんまりプレッシャーを感じないほうで、勝又先生もプレッシャーを全く感じないって言っていたんですけど、ファイナルのときはプレッシャーが普段の3倍ぐらいかかるって言っていたので、やっぱりそれは経験してみたいなというのはありますね。
ぜひ体験したいので、レギュラーとセミファイナルは頑張りたいと思います。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。