ツモ ドラ
を切れば、を切れば待ちのテンパイ。
待ちは2枚2枚1枚見えの計5枚見え、待ちは自身で1枚2枚1枚見えの合計4枚見え。
自身でを切っていることもあり待ちにするかと思われたが、澤谷の選択はフリテン三面チャンリーチ。
後日澤谷に訳を聞いてみた。
「自分がリーチに押したときにほかの2名が現物で受けたことから、保里さんのリーチにはドラドラ以上かドラターツのある可能性があると思っていました。それを加味すると、–は危険、––にした場合、相手がドラドラだと自分の待ちがない。で打つこともあるが、唯一打点が高くなる・の形は、自分が1枚持ちなので可能性が低く、から先にを切るのは、の後に、と切っているのであまりなさそう。単純–・–はしょうがない。そしてさらに今後のポイント争いを加味すると高打点のツモアガリが欲しかったので、どれをツモってもマンガン以上のツモが望めるフリテン三面チャンを選択しました」
実際、––はほとんど山に残っていなかった。––は4枚残り。
山読みと自分の手の価値を信じて、リスク承知で選んだ一打であった。
アガりきれば伝説の一局になるかと思われたがここは痛み分けの流局。
この日リーグ戦とあわせて5半荘目となった澤谷だが、ここは驚異の山読み、決断力を私たちに見せつけた。
その後は流局や比較的小場での点数移動となる。
オーラス、すでにトップ目でむかえた宮澤が5本場まで連荘、五万点を超えるトップで1回目のラスを挽回する結果となった。
2回戦 トップ宮澤 2着浅井 3着澤谷 4着保里
1回戦とは真逆の着順に。
3回戦
東3局1本場
宮澤、澤谷の2軒リーチ。
西家 宮澤
ドラ
南家 澤谷
ドラ
これを受けた親の浅井。
ツモ ドラトップ目、親番、2軒リーチ受け、カンチャン待ち、テンパイをとると打つのは無筋…考える浅井。
そしてカンのテンパイは取らずの現物、と打ってゆく。ここまでかなり攻撃的な選択を見せてきた浅井も、さすがに2人のリーチを受けては迂回もやむなしかと思われたが再びテンパイ。
ツモ ドラ再び考える浅井。
テンパイ打牌のはこれまた先行2名に通っていない牌。
今度は勝負とばかりに牌を横に曲げた。
先ほどのテンパイとは待ちも打点も違う。一旦は引いたが勝負となる手牌を見極めての状況判断であろう。
3軒リーチは宮澤がをつかんで5800は6100に2000点の供託も加算。
冷静に、しかし大胆に攻めた浅井の一局となった。
このまま浅井はトップを譲ることなく3回戦が終了。
3回戦 1着浅井 2着保里・宮澤(同点) 4着澤谷
最終戦
トータル 浅井+27.8 宮澤+13.5 保里△26.0 澤谷△35.3
(ペナルティ含む)
WRCルールは三万点持ち三万点返し(オカなし)、着順に1着+15 2着+5 3着△5 4着△15の順位点、1着順アップで+10ポイント加算されるシンプルなルールとなっている。例えば現状4位の澤谷は首位の浅井と63.1ポイント。ほかのプレーヤーとの差を無視すれば、トップラスをつければ30ポイントが縮まるのでそこに素点で33200点以上の差をつけなくてはいけない計算となる。
東2局
まず浅井と澤谷の手がぶつかる。
浅井の先制リーチ。
ドラ表示牌を引き入れてのリーチ・・ドラの3面チャン。
ここに向かってゆきたいのは親の澤谷。
ここからトイツ落としでドラ色のチンイツに向かう。
そしてをチーしてテンパイ、親の18000点。浅井の––は残り4枚、澤谷のは2枚。先頭を走る者とそれを最後方から捉えんとする者の勝負となったが、アガリ牌を引き寄せたのは浅井。
をツモってリーチ・ツモ・・ドラは2000・4000。
東3局
ここでも浅井の攻勢は止まらない。
南家、5巡目のリーチはとのシャンポン待ち。しかも片方はドラ。
自身はトータル首位、打点は十分だが変化もあるこの役無しテンパイを迷わすに即リーチ。三者にたたみかける。
そして山に唯一残っていたドラツモ、2000・4000。
門前でこれと決めた形でしっかりと押し切る浅井のハートの強さが強く光った一局となった。