文・楠原遊(近代麻雀編集部/日本プロ麻雀連盟)
5月9日、第1期晧王戦(はくおうせん)決勝戦が行われた。
この晧王戦は天鳳が主催し、日本プロ麻雀連盟が協力、日本プロ麻雀連盟チャンネルが協賛する今期新たに作られたプロタイトルである。
あわせてのべ599名の団体所属プロ雀士がエントリー、一次から五次までの予選は全て天鳳で行われ、ベスト8からは日本プロ麻雀連盟夏目坂スタジオでの対局となった。
決勝戦に駒を進めたのは以下の4名。
浅井堂岐(あさいたかき) 日本プロ麻雀協会所属A2リーグ プロ11年目
第7回 チャンピオンロードGC優勝
決勝卓に進んだメンバーの中では一番のベテラン、所属団体のAリーガーであり優勝候補の筆頭。
澤谷諒(さわやりょう) 日本プロ麻雀連盟D2リーグ所属 プロ3年目
第1期若獅子戦第三位、WRCリーグベスト16と若手ながら放送対局への出場経験は豊富。
同卓の宮澤プロとは同期で同じリーグ。この日は午前開始のリーグ戦でも同卓。
保里瑛子(ほりえいこ) 麻将連合所属ツアー選手 3年目
OLとプロ雀士の二足のわらじをはく決勝戦唯一の女流プロ。第9・10期将妃決定戦に出場も優勝経験はなし。タイトル獲得への思いは強いだろう。
宮澤太佑(みやざわだいすけ) 日本プロ麻雀連盟D2リーグ所属 プロ3年目
奥様は魚谷侑未プロ。若獅子戦やインターネット麻雀選手権など、若手プロとして実績も十分。午前中に行われたリーグ戦では、澤谷に90ポイント差をつけた卓内トップ。
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1回戦
決勝戦は全4回戦。一発裏ドラあり赤ドラなしのWRCルール。
浅井は集合時間に遅れペナルティマイナス20ポイントでのスタート。
東2局
先制テンパイは親の保里
ホンイツ・の5800テンパイ。チャンタ変化もある形。
そこに南家の浅井も仕掛けて応戦、タンヤオのテンパイ。
そこに最終盤となる14巡目、澤谷にも勝負手の仕掛け。
チー ドラ567の三色同巡の片アガリだが、ドラ暗刻のマンガンテンパイ。
しかしテンパイの瞬間にアガれないを宮澤にうたれる。そして次の瞬間、保里がをツモ切り。同巡フリテンのためロンはできない澤谷。がふたたび場に打たれることはなく、浅井への1000点の放銃となった。
マンガン放銃回避となった保里、アガった浅井、一人ノーテン回避となった宮澤。澤谷一人がチャンス手を潰され減点となり苦しい一局となった。
その後は浅井が5200、2000・4000、1300オールと放銃も挟みつつ順調に加点。
南3局1本場
点数状況は以下の通り。
ここまで一度もアガることのできなかった4着目の保里がこのドラドラの手が実り、リーチ・タンヤオ・ピンフ・ドラドラ裏の12300点をトップ目の浅井から直撃。
このアガリで場が一気に平たくなる。
オーラス、トップ目澤谷34200点、2着目浅井30800点、保里30300点、4着目宮澤24700点と誰にでもトップがある状況。決勝戦一戦目、まずはトップを取りたいのは各選手同じ気持ちだが、ペナルティを受けている浅井はひとしおか。
先制テンパイは3着目保里。
ドラ引きやイーペーコー変化など、打点アップの種は十分にある手牌をダマテン選択。この役はないものの、ツモれば2着。
すぐにツモでイーペーコー変化を捉え、ここでリーチ。
裏ドラや一発に期待した即リーチではなく、トップへの条件700・1300以上を満たした上でのリーチが成就しリーチ・ツモ・イーペーコー(裏ドラはなし)。
落ち着いた打ち回して2局で4着目からトップまで昇りつめる。一方、道中優勢だったものの手詰まってのハネマン放銃となった浅井にとっては幸先わるいスタートとなったか。
1回戦 トップ保里 2着澤谷 3着浅井 4着宮澤
2回戦
東1局
西家の保里がドラドラ先制リーチ。
1回戦トップの保里、宮澤にを打たれたばかりだがここはを切ってリーチ。ベスト8のトーナメント戦(4人中2人勝ち上がり)とは違った、決勝戦バランスの保里。
ここに追いついたのは澤谷。この形でのテンパイ。