混全帯么九(チャンタ)とは? 面子と雀頭のすべてに数牌の1、9と字牌が含まれていると成立する2翻役 ‐ 麻雀役解説

麻雀役の説明 チャンタ

混全帯么九(チャンタ)とは?

混全帯么九(チャンタ)は、断么九(タンヤオ)の対立役とも言える役なので、タンヤオを覚えれば簡単に覚えられる役です。出現頻度はあまり高くありませんが、初心者の方も是非覚えてみましょう。

混全帯么九の正式な読み方は「ホンチャンタイヤオチュウ」ですが、長いので「チャンタ」と略されることが多いです。

他の役とも複合が可能で、順子系の役と相性が良いです。なかでも三色同順(サンショク)とは複合しやすく、逆に複合しないと打点が安くなってしまいがちです。

混全帯么九(チャンタ)が成立する条件

チャンタは、数牌の1か9(「端牌」)と字牌をすべての面子と雀頭に使って手を揃えると成立する2翻役です。2~8の数牌だけを使って手を揃えるタンヤオとは真逆の役と言えるでしょう。ただし、同様の条件で面子をすべて刻子で揃えると混老頭ホンロウトウ)という別の役になるため、順子がひとつは必要です。

混全帯么九(チャンタ)

  • 数牌の1か9と字牌をすべての面子と雀頭に含める
  • 順子がひとつ以上ある
  • 門前でなくてもOK
    ※2飜役だが、鳴くと1飜に下がる

混全帯么九=端牌と字牌をすべての面子と雀頭に含む
 【北 横向き】 アガリ

成立する例・不成立となる例

チャンタは、最終的に端牌と字牌を含む面子・雀頭のみで手を揃えれば成立します。途中までチャンタになるかどうか分からない形でも、最終的に条件を満たしていれば成立します。

例:   【1マン横向き】 【7マン横向き】 アガリ

上記の待ちの手牌ですと、の場合チャンタは付きませんが、でアガれば端牌と字牌を含む面子・雀頭のみとなりチャンタが成立します。
※この例のような、2種類以上の待ちがあるテンパイのときに、一方は役が付くがもう一方は役が付かずにアガれない形のことを「片アガリ」と呼びます。

上位役:純全帯么九(ジュンチャン)

純全帯么九(ジュンチャン)は、チャンタの上位役です。字牌を含まずに、数牌の1と9を含む面子と雀頭だけで手牌を揃えるとジュンチャンになります。

純全帯么九=字牌のないチャンタ
 【9ピン横向き】 アガリ

純全帯么九(ジュンチャン)とは? 手牌のすべてに数牌の1、9が含まれていると成立する役

混全帯么九(チャンタ)と相性の良い役

チャンタは、手牌のすべてが必ずしも順子というわけではありませんが、混老頭との兼ね合いの関係上、順子がひとつは含まれることになるので、順子系の役と相性が良いです。

混全帯么九(チャンタ)+ 役牌(ヤクハイ)

チャンタの条件に含まれている「字牌」は、役牌であってもそうでなくても問題ありません。可能ならば、役牌の刻子も手のなかに入れられれば打点向上につながります。

 【發 横向き】 アガリ

役牌(ヤクハイ)とは? 特定の字牌を3枚以上揃えると成立する役

混全帯么九(チャンタ)+ 三色同順(サンショク)

同じ数字の順子を3種類の数牌で揃える三色同順(サンショク)は、チャンタと非常に相性の良い役です。順子を中心にチャンタを目指す場合、使える数字は123か789の2種類しかありませんので、どちらかの数字で3種類揃えれば、サンショクとの複合が可能です。

     【7マン横向き】 アガリ

三色同順(サンショク)とは? 同じ数字の順子を3種類の数牌で作ると成立する役

混全帯么九(チャンタ)+混一色(ホンイツ)

字牌+1種類の数牌で成立する混一色(ホンイツ)も、同じく字牌を使うチャンタと相性が悪くないです。ただし、使える数牌の種類がかなり限られてしまうので、字牌を多く持っていないと難易度は高いです。

  【發 横向き】 アガリ

混一色(ホンイツ)とは? 数牌のいずれか1種類と字牌だけで手牌を揃えると成立する役

混全帯么九(チャンタ)でかわす

冒頭でチャンタは待ちが愚形になりやすいが、違う側面から見ると、印象は変わってくる。チャンタの有効牌は456以外の全て、と考えると他のどの役よりも受け入れが広いと考えられるのだ。

ケースA:東1局・南家・配牌
【1マン】【4マン】【6マン】【8マン】【9マン】【1ピン】【2ピン】【9ピン】【1ソウ】【1ソウ】【8ソウ】【西】【北】【北】

ケースAでは【6マン】を切る。Aのような悪い配牌を普通に字牌から切り出すのは良くない。他家からの先制攻撃を受けやすいからだ。【6マン】【4マン】と切ってチャンタに向かえば、字牌や端牌を手に置くことになり、自然と守備力が増す。有効牌も多く、かわし手としては申し分ない。

このようにチャンタは偶然メンゼンでテンパイしない限り、守備的に使うことがほとんどである。では攻撃的なチャンタはあるだろうか。

ケースB:南家・5巡目
【1マン】【1マン】【4マン】【7マン】【9マン】【1ピン】【3ピン】【5ピン】【9ピン】【9ピン】【2ソウ】【6ソウ】【西】【西】

ケースBでは【4マン】を切る。そして【1マン】【8マン】【2ピン】【9ピン】【西】、鳴けるところは全部鳴いてチャンタに向かう。19牌のドラがトイツか暗刻の際は仕掛けても高くなりやすい。チャンタは必ず愚形が残る、赤が使えなくなる、というデメリットがある反面、端寄りの牌(特にトイツ)が鳴きやすい上に安全度も高い。ケースAやケースBのように、打点に関わらずチャンタくらいしか手役が狙えない形の悪い手牌に置いては貴重な手役になるのだ。

ケースC:南4局・西家・2巡目・アガリトップ
【2マン】【3マン】【4マン】【9マン】【1ピン】【1ピン】【2ピン】【9ピン】【9ピン】【1ソウ】【1ソウ】【7ソウ】【南】 出る【9ピン】

ケースCは【9ピン】をポンして【4マン】を切る。アガリトップならこの有効牌の少ない手牌をメンセンで構えるのは修長である。ポンして狙うは【南】を重ねての後付けトイトイ、そして本命はチャンタだ。【9マン】【7ソウ】【南】のいずれかにくっつけばチャンタの5ブロックが決まる。【1マン】はテンパイするまでにツモるかチーすればフリテンを解消できる。

ケースCのように、チャンタは盲点になりがちだが、狙った方が良い手牌も多い。特に1・9・字牌のトイツが複数ある時は、チャンタの可能性を確認する。

『麻雀手役大全』 (近代麻雀戦術シリーズ)より)

混全帯么九(チャンタ)の注意点

待ちが悪くなりがち

チャンタは、字牌や端牌を必要とする役なので、シャンポン形や12や89のペンチャン形などの愚形が残りやすい役です。手を進めていくうえでも難易度が高いですし、最終的にはチャンタ確定の愚形か片アガリのリャンメン形になってしまいます。

待ちが悪いということは、結果的に速度が遅くなってしまったり、他家との競り合いに負けてしまったりする可能性が高くなりますので、チャンタを狙う際はその点に留意しましょう。

赤牌を使えない

チャンタは456などの中張牌を使うことができない役なので、赤ありルールの場合でもドラの赤5牌を手のなかで使用できません。

チャンタ自体の打点もそれほど高いわけではないので、配牌や序盤のツモで赤5を引いたときは、無理にチャンタを狙わず他の役を視野に入れて進めることをお勧めします。

混全帯么九(チャンタ)のまとめ

チャンタは、タンヤオの正反対ともいえる役であり、初心者の方でもタンヤオさえ覚えてしまえば習得するのは難しくありません。

ですが、端の数牌や字牌を使う関係で愚形の形になりやすく、手を進めるのもアガるのも簡単ではありません。

配牌や序盤の時点では無理に狙わず、ホンイツサンショクなど他の役を狙って手を進めていくなかで、無理なく狙えそうな場面があったら意識してみる、というのが良いかもしれません。

以下の記事で混全帯么九をはじめ、役ごとの飜数を一覧でまとめています。

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