一発(いっぱつ)はリーチをかけた際に、1巡以内に出アガリするかツモアガリした場合につく1翻役。ただし1巡内にポン・チー・カンが発生した場合は一発は消滅する。
一発(いっぱつ)が成立する条件
リーチ、あるいはダブルリーチをかけたときに、次巡に自分でアガリ牌をツモって「ツモ」を宣言した時。またはリーチ後、1巡内に他家がアガリ牌を捨て、その牌に「ロン」を宣言した時。
いずれの場合も一発(いっぱつ)が成立し、1翻が加算される。
リーチをかけた際、一発の成立を妨げるために他家が一発消し(いっぱつけし)を行うことがある。
他家がリーチ宣言牌をポンやチーで鳴いたり、暗槓や加カンをすることでリーチ者の一発の権利を消失させることができる。もちろん他家のリーチに対して、自らが鳴きを入れて一発消しすることもできる。
一発消し(いっぱつけし)のデメリット
リーチは、リーチ自体の1翻に加えて、一発や裏ドラによる打点上昇が大きなメリットである。ということは他家のリーチは自らにとっては大きな脅威であるといえる。
そのため、リーチの脅威を低減させる一発消し(いっぱつけし)は有効な戦術である。しかしながらその行為にはデメリットもともなう。次に記すデメリットを知ったうえで、一発消しを行うか否かを判断していただきたい。
- 門前の放棄
- 防御力の低下
- ハイテイ牌の移動
門前の放棄
一発消しのために「ポン」「チー」「カン」を行うと、メンツを副露することになる。すでに副露している手牌の場合はこの限りではないが、門前で進行していた手牌で一発消しを行うかどうかは一考を要する。門前を放棄することによって、自分がリーチをかける権利を失うからである。リーチがリャンメン待ちであると仮定すると、一発ツモの可能性は約6%である。6%の出現率の一発ツモを防ぐために、自ら門前を放棄するに値するかはケースバイケースである。流局間際で、自分がテンパイから遠くリーチをかける可能性がない場合などは、積極的に一発(いっぱつ)を消したい。逆に、中盤以前でイーシャンテンなど追いかけリーチをかけたい場合は、鳴きは見送らなければならない。
防御力の低下
手牌13枚から1つ鳴くごとに3枚ずつ減っていく。そのため、リーチに対して切る牌の選択肢の幅が狭まることになる。リーチ者以外がベタ降りしている場合など安全牌が増えずに、自らが危険牌を切ることになる。その際、選択肢が少ないということは放銃リスクが増すことになる。
ハイテイ牌の移動
一発も1翻、ハイテイも1翻。チーをして一発を消したはいいが、リーチ者にハイテイが回ってツモアガリされては元も子もない。終盤にはリーチ者にハイテイがいかないように行う鳴き「ハイテイずらし」が必要になるケースを忘れないようにしたい。
一発(いっぱつ)のまとめ
一発(いっぱつ)はリーチに付随する偶然の1翻役。リーチの魅力の根源のひとつ。単純なリャンメン形のツモアガリの場合には約6%の出現率。
偶然役なので、狙って作ることはできない。
リーチ後1巡内に鳴きが入ると、一発(いっぱつ)の権利は消失するため、他家の権利を消すための一発消し(いっぱつけし)はときに有効な戦術といえる。
一発消し(いっぱつけし)にもデメリットが伴うため、自ら行うか否かは一考を要す。