立直(リーチ)とは? テンパイを宣言することで成立する1翻役 ‐ 麻雀役解説

麻雀役の説明 リーチ

立直(リーチ)は、麻雀の役のなかで最も基本的なものです。基本のテンパイ形さえ理解すれば良いので、初心者の方が最初に覚えるべき役のうちのひとつと言えます。飜数は1翻です。

他の多くの役と異なり門前でテンパイ形を作りさえすれば役にはなりますが、「テンパイを宣言する」「1000点棒を場に出す」「アガリ牌以外はツモ切りしかできなくなる」などの制約に縛られます。

また、アガった際に「一発」「裏ドラ」などの大きな打点向上要素があるため、現代麻雀においていかに早くテンパイしリーチをかけられるか、というのは非常に重要な戦術と言えるでしょう。

立直(リーチ)が成立する条件

リーチは、以下の条件を満たしたときに「リーチ」を宣言し、場に1000点を供託することで成立する役です。リーチを宣言することを「リーチする」「リーチをかける」などと呼びます。

立直(リーチ)

  • テンパイしていること
  • 門前であること(暗槓は可、ポン・チー・明槓は不可)
  • 持ち点が1000点以上あること(トビありのルールの場合)
  • 残りの牌山が1巡以上あること(4人麻雀であれば4枚)

立直(リーチ)の手順

上記の条件を満たした自分のツモ番に、以下の手順を踏むことでリーチが成立します。

①他家に聞こえる声で「リーチ」と発声する
②捨て牌を横向きにして河に置く
③1000点棒を卓の中央付近に置く

②の手順の際に、捨て牌を他家からロンされた場合、リーチは成立しません(1000点出さなくて良い)。ポンやチーされた場合、リーチ自体は成立するので1000点を出し、1巡後の自分のツモ番の際に再度捨て牌を横向きに置きます。

リーチの例:
捨て牌

【3マン横向き】←リーチ宣言牌
手牌

立直(リーチ)後の制約

リーチは、大きな打点の向上が見込めるのと引き換えに、宣言後にいくつかの制約を受けます。

・手牌を入れ替えてはならない(アガリ牌以外はツモ切りとなる)
・アガり牌を他家が捨てたとき、或いは自分でツモったときに、アガらなかった場合はフリテン扱いとなる(手牌の入れ替えができないため、フリテンは解消されない)
・テンパイしていないのにリーチ宣言をしてしまった場合、流局時にチョンボ扱いとなる
・鳴いてはならない(ただし、後述の「暗槓」は認められる)

つまり、リーチ宣言後は他家がアガリ牌を捨てるか自分でツモるまで、ツモ切りをし続けることになります。

立直(リーチ)後の暗槓

上記の制約の通り、リーチ後は鳴くことも手牌を入れ替えることもできませんが、リーチ時点の手牌のなかで刻子になっていた牌の4枚目を引いてきたとき、テンパイ形の待ち・面子構成・役が変わらないという条件を満たしていれば暗槓をすることができます(明槓はできない)。

暗槓が認められる例:
 ツモ
待ちはであり、は独立した刻子なので槓できる

暗槓が認められない例:
 ツモ
待ちはであり、を槓すると待ちがタンキのみに変わってしまう。さらにリャンメン待ちがなくなるのでピンフが付かなくなり、役も変わってしまうので、槓はできない

上記の形以外でも、暗槓が認められないケースはさまざま存在するので、関連牌のない孤立した牌の刻子でない限り、リーチ後の暗槓はよく注意して判断しましょう。

立直(リーチ)により発生する「一発」と「裏ドラ」

リーチは、上記のように他の役にはない制約などがあるため、デメリットが大きく感じられるかもしれませんが、「一発(イッパツ)」と「裏ドラ」という、リーチによってのみ受けられる打点向上の要素があります。

一発」は、リーチ宣言をしたあと1巡以内にアガった場合につく1翻の役です。リーチ後1回目の自分のツモまでが有効範囲で、ロンでもツモでもつきますが、他の誰かが鳴いた場合はつかなくなってしまうので注意が必要です。また、競技麻雀などでは一発を役として認めていないルールもあるので、よく確認しましょう。

裏ドラ」は、リーチをしてアガったときにだけ、ドラ表示牌の下にある見えない牌をめくることができ、それを裏ドラ表示牌として追加のドラをカウントできるルールです。アガるまでどの牌がドラかわからないため、偶然性の高い要素ですが、ドラが乗れば大きく打点が向上する可能性もあります(槓が入ってドラが増えている場合は裏ドラも増える)。

上位役:ダブル立直(ダブリー)

ダブル立直(ダブルリーチ)は、その局が始まって1巡目の配牌時点、誰も鳴いていない状態でリーチを行うと成立するリーチの上位役です。「ダブリー」「Wリー」などと略されることが多いです。

基本的な成立条件や制約、一発や裏ドラなどの特典は通常のリーチと全く同様ですが、配牌時点でリーチを行ったときのみ2翻役として扱う、というものです。

他家によるチー・ポン・カンが入ると1巡目であっても成立しないほか、自身による暗槓を行った場合でも成立せず、通常のリーチ扱いになるので注意してください。

また、2翻になるとはいえ、リーチをかけてしまうと手牌を変更できなくなりますので、手変りが見込めるテンパイ形の場合は慎重に判断しましょう。

捨て牌
【3マン横向き】←リーチ宣言牌
手牌

ダブリーのみの形。ただし、を引くとタンヤオピンフサンショクの手変りが見込めるため、ダブリーのみより打点は高くなる。

立直(リーチ)と相性の良い役

リーチは、テンパイ形を問わない特殊な役なので、原則的に役満とダブル立直を除くすべての役と複合します(役満の場合もルール上リーチをかけることはできるが、点数的には複合しない)。

ただし、リーチ後の手牌の入れ替えができないという特性上、他の役との複合が狙えそうなテンパイ形の場合でもリーチしてしまうとそれ以降は変更できません。

一発や裏ドラなどの打点向上要素があるとはいえ、1翻役であるリーチだけでは高得点は狙いにくいので、リーチをかける前に他の役との複合のことを考えてみるのも良いかもしれません。

立直(リーチ)の注意点

他家への影響

リーチを宣言すると、テンパイしていることを他家に知らせることになります。リーチしていない場合であれば他家がテンパイしているか気にしない人でも、リーチをかけられたら慎重に捨て牌を選択する可能性があります。

そういった影響によって、結果的に他家からロンアガリできる可能性が減るという面もありますが、逆に他家がリーチを警戒してオリてくれた場合、自分だけアガれる可能性が高くなる場合もあります。

また、他家がテンパイしている場合でも手牌の入れ替えができなくなるので、捨て牌を選択してオリることができず、放銃してしまう危険性も高くなってしまいます。

リーチによる他家への影響は良い面も悪い面もありますので、よく状況を見極めて判断すべきでしょう。

供託の1000点棒

リーチをかける際に場に出す1000点は、その局をアガった人のものになります。これはリーチをかけたかどうかには関係ないので、せっかく自分がリーチをかけても他家がアガってしまうと、供託の1000点も他家のものになってしまいます。

また、リーチによって1000点が供託された状態で誰もアガることなく流局すると、1000点は次の局に持ち越されます。複数人によってリーチが行われたり、誰かがリーチをかけて流局が繰り返されたりすると、1000点棒もどんどん溜まっていき1回のアガリの価値も高まっていきます。

また、他家と横並びの点数でリーチをかけると、一時的に他家を下回ってしまったり、そのまま別の人にアガられて順位が下がったりすることもあるので、リーチをかける際は持ち点にも意識を向けるのが大切です。

立直(リーチ)のまとめ

リーチは、麻雀の役のなかで最も基本的で誰にでも狙える役のひとつですが、特殊なルールによって自分にも他家にも大きな影響を及ぼします。

テンパイを他家に知らせたり、手牌の入れ替えができなくなったりといったデメリットも無視できませんが、それと同時に、一発や裏ドラによる打点の向上も大きな価値を持ちます。

ただ、これから麻雀を覚える人はあまり難しく考えず、少しでも早くテンパイしてリーチをかける、というのを目標にしてみても良いかもしれません。

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