槍槓(チャンカン)とは、他家が加槓しようとした牌でアガると成立する役です。槍槓は1翻役のなかでも特に出現頻度の低い役で、初心者の方はまず他の役を覚えてから、じゅうぶんに麻雀を楽しめるようになってから覚えましょう。搶槓とも書きます。
槍槓は鳴いていても成立しますし、待ち以外の部分はどのような形でも成立しますが、性質上シャンポン待ちとタンキ待ちの場合は成立しません。
槍槓は待ち部分以外に手牌の制約はないので他の多くの役とも複合します。ただし特殊な条件を持つ役ですので、手牌以外の条件によって複合しない役もいくつかあります。
【目次】
槍槓(チャンカン)が成立する条件
槍槓(チャンカン)は、他家が加槓を宣言したときに、加えようとした牌がアタリ牌だった場合ロンアガリできる、という役です。チャンカンが成立した場合、相手側の加槓は成立しなかったとみなされるので、槓ドラはめくられません。
麻雀のルール上、河以外の場所からロンアガリできるのはチャンカンのときだけです。ただし、後述の国士無双(コクシ)の特殊ルールが適用される場合を除いて、暗槓に対してロンアガリをすることはできないので注意してください。
また、特殊な条件でのアガリではありますが、通常のロンアガリと同様にフリテンのルールは適用されますので、フリテンの牌でチャンカンしようとすればチョンボとなります。
槍槓(チャンカン)
- 他家が加槓しようとした牌でアガると成立する役
「槍槓」=「搶槓」の表記について
「槍」の字は元々は部首が手偏の「搶」で、「搶槓」と書いていました。正式な表記は「搶槓」ですが、現在は部首が木偏の「槍槓」の表記を用いるのが一般的になっています。
※「搶」は「奪い取る」という意味。「他家の槓でアガる」=「他家の槓を奪う」という意味でも「搶槓」が正しい表記であると言えます。
槍槓(チャンカン)と相性の良い役
チャンカンは、待ち部分以外の手牌が指定されていない役なので、多くの役と複合することができます。ただし、相手の手のなかにアガリ牌が4枚揃う必要があるので、シャンポンやタンキの待ちではアガれず、対々和(トイトイ)や七対子(チートイ)などの対子・刻子系の役とは複合しません。
また、「海底牌は槓できない(=チャンカンできない)」「最後に河に置かれた牌が河底牌(=最後の槓でチャンカンしてもそれは河底牌ではない)」といった理由で、海底摸月(ハイテイ)・河底撈魚(ホウテイ)とも複合しません。
自分の槓によるツモアガリである嶺上開花(リンシャンカイホウ)とも複合しませんし、他家がポンしている必要があるためダブル立直(ダブリー)とも複合しません。
ただし通常の立直(リーチ)とは複合しますし、一発圏内(リーチ後の1巡以内)でしたら、一発とも複合します。
槍槓(チャンカン)と複合しない役
対々和(トイトイ)とは? 面子を刻子のみで揃えると成立する役
七対子(チートイ)とは? 対子を7組揃えると成立する役
海底摸月(ハイテイ)・河底撈魚(ホウテイ)とは? 最後の牌でアガると成立する役
嶺上開花(リンシャンカイホウ)とは? 槓してツモった嶺上牌でアガると成立する役
槍槓(チャンカン)の注意点
国士無双の暗槓
チャンカンは原則的に加槓に対してのロンアガリが条件であるため、暗槓に対してロンアガリを宣言することはできません。
ですがルールによっては、国士無双のテンパイ時にのみ他家の暗槓に対するチャンカンを認めていることがあります。その場合、理論上は人和(レンホー)との複合も可能です(人和自体が認められているかもルールによる)。
抜きドラに対する槍槓
補足的な説明になりますが、抜きドラのある三人麻雀のルールでは、などの抜きドラを抜いた際に嶺上牌から補充することがあります。このときツモるとリンシャンカイホウは成立しますが、あくまで槓ではないので、抜きドラに対してチャンカンでアガることはできません。
ただし、槍北(チャンペー)という専用のローカル役が存在するルールもありますので、事前に確認しておきましょう。
槍槓(チャンカン)のまとめ
チャンカンは、特定の条件のもと特殊なアガり方が認められている出現頻度の低い役です。また、アガリ牌を他家が事前にポンしている必要があるので、残り枚数も自然と少なくなります。
アガリ枚数を犠牲にする特性上、牌効率を重視しツモアガリを目指す現代の麻雀の戦術においては、あまり重要視される役でありませんし、積極的に狙うのは初心者の方にもお勧めできません。
Mリーグ2020にて、リーグ初となるチャンカンが出ました。赤坂ドリブンズの鈴木たろうが加カンした牌を、セガサミーフェニックスの茅森早香がロンをしてチャンカンであがり。
以下の記事で槍槓をはじめ、役ごとの飜数を一覧でまとめています。
点数計算の早見表はこちら。初心者の方におすすめ。
符計算の仕方はこちらの記事で解説。