持つ者と持たざる者の戦い 逆転された黒沢咲の無念【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 2/23 第1試合】担当記者 東川亮

持つ者と持たざる者の戦い

逆転された黒沢咲の無念

文・東川亮【バックアップライター】2026年2月23日

大和証券Mリーグ2025-26シーズンは、2月20日をもって初の試みとなる2卓開催期間が終わった。推しのチームや選手の試合が増えるとともに、2卓それぞれの展開を追うなど、慌ただしくも楽しい日々は一段落。

一方でリーグの順位表に目を向けると、各チームの残り試合数が20を切り、いよいよレギュラーシーズンの終わりが見えてくるようになった。各チームそれぞれに思惑があるが、特にレギュラーシーズン突破が際どいチームにとっては、自らが戦う以外の日には身を削られるような、あるいはザラッとした嫌な感覚がつきまとうのかもしれない。

しかし、卓についていないチームは見ていることしかできない。やるべきは、とにかくポイントを積み上げること。2月23日の試合を戦うサクラナイツ、雷電、パイレーツには、目先の結果が何よりも求められる。できればトップ、最低でも2着。

第1試合

東家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ) 
南家:黒沢咲(TEAM雷電)
西家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
北家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)

その観点で言うならば、第1試合を理想的に進めたのは、通過ボーダーの6位に位置するTEAM雷電黒沢咲だった。

東1局には先制テンパイから滝沢のリーチを受けるも押し切り、苦しいシャンポン待ちをツモって2000-4000と大きな加点に成功。

次局はドラを切ってのピンフリーチながら、一発ツモで打点を2600オールに引き上げてさらに持ち点を伸ばす。

そして極めつけは、滝沢に逆転された東4局1本場。5巡目のテンパイで、シャンポン待ちとペンチャン待ちは見た目枚数が一緒。

であるならば、ツモったときに高くなる可能性があるドラシャンポンに受ける。他の選手でもこう受けるケースが多いと思われるが、やはりこの選択が、門前高打点の「セレブ麻雀」を代名詞とする黒沢らしい。

時間はかかったが、ドラのほうをツモると・・・

なんと裏3!リーチツモドラ3裏3、強烈な倍満で、黒沢が再びトップ目に浮上した。

南1局にも一発ツモで満貫、持ち点は5万点を突破。

その後は瑞原や滝沢のツモアガリで持ち点を減らすも、オーラスを迎えたときにはまだ48900点を持っていた。2番手の親番・滝沢との点差は26300点と大差、岡田と瑞原が競りの状況で、局の早期決着も生まれやすい状況。黒沢にとっては、十分にフィニッシュが見える展開だった。

麻雀は、親番さえ残っていれば逆転のチャンスはある、とされる。ただ、それはあくまでも理想論。実際、4人でプレーする麻雀において、アガれる確率は単純計算で4分の1、流局も含めればもっと下がる。特に、今回のようにある程度真っすぐアガリを目指しに来るメンバーが多ければなおさらだ。

南4局、先制テンパイは黒沢。

イーペーコーのカン【5ピン】待ちの残る3枚は、全て瑞原に持たれていた。しかし瑞原も赤1の1シャンテンで、ストレートにテンパイしたときは【5ピン】が切られる可能性が高い。雷電を応援する「ユニバース」としては、瑞原のテンパイを強く願っていただろう。

しかし、その前に滝沢がリーチ。

瑞原が粘り、黒沢は受けに回るなかで、滝沢が高目をツモって2600オール。局をつなぐ。

黒沢にとっては、最後の1局がなかなか動かない。次局は子方3者が悪形の部分をさばけず苦労しているうちに、親番の滝沢がピンフ赤赤で先制。

対応の暇も与えずに一発ツモ、さらに裏ドラも1枚乗せて6000は6100オール。

なんと、あれだけあった差がたった2局でまくられてしまった。赤有りのMリーグルールは打点を作りやすいとはいえ、さすがに雷電としては受け入れがたい。

再逆転には満貫出アガリ、ツモ1300-2600条件の黒沢もなんとか手を作りにいくが、与えられた手牌にはドラも赤もなく手役も遠く、かなり苦しい。

一方の滝沢は、対照的なように整った手が入る。この局面でのカンチャン落としが、

裏目を引くことなくあっさりテンパイ。わずか5巡ながらターツ選択の入ったリーチで、少なくとも良形、かつ打点も備えていそうなことは、他3者も察していただろう。

滝沢はこのリーチをすんなりと、しかも赤でツモアガった。4000は4200オール。

ポイントを持ち、悠々と上を目指すKONAMI麻雀格闘倶楽部と、ボーダー争いでもがく雷電、そこからも大きく離されているサクラナイツとパイレーツ。現状置かれている立場、そして勢いの差が、まざまざと現れたかのような一戦。

最後は持ち点を減らした瑞原と岡田のリーチ対決となり、瑞原がツモって3着に浮上して決着。もちろん着順は4より3のほうがいいが、それも焼け石に水。マイナスを重ねて試合を消化してしまったことは、ただただ厳しい結果と言わざるを得ない。

そしてトップ目前から大まくりを喰らった黒沢は、試合後のインタビューでも歯切れが悪く、意気消沈している様子だった。7位ABEMASを突き放す絶好のチャンスだったわけだから、無理もない。また、黒沢曰く、この試合にはいくつかやらかしてしまったところがあり、彼女の中では納得のいっていない試合となってしまっていたようだ。

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