「RMUの覇王」河野高志。
彼が称賛した瑞原の選択と、逆に気になった場面を探る。
■完璧だった瑞原の手順
今日は瑞原が完璧によかったです。手順もいい、ツモもいい、度胸もいいという感じ。今日は東1局で決まっちゃいましたね。東1局のリーチツモ
ドラ1は誰がやってもそうなりますけど、その4000オールがものすごく後押ししてくれて、そこからの東1局1本場です。
この局の瑞原ですけど、まずは6巡目の
切りが優秀でした。手順では
を切ったほうが
引きとかで広がるので
切りのほうがいいんですけど、他にメンツがまあまあ決まっているところもあるので、危険度からいって
を切って
、という人もまあまあいるんです。それを、後々の手変わりを考えて
を切ったら、めちゃくちゃ手が伸びたじゃないですか。
最終的にタンピン赤赤みたいな手になって、そこで実況の日吉さんと解説の土田さんも言っていましたけど、対面の一馬から4枚目の
が出るんですよ。
をポンして高目
の12000テンパイを取る人が圧倒的に多いと思うんですけど、ところがそれをやらなかったんです。
そうしたら一馬に
をポンされてテンパイを入れられちゃって、瑞原も![]()
待ちテンパイ、最終的に一馬も![]()
待ちになって。
もうひとつ、この後にあの滝沢が役なしのカン
待ちでリーチするんです。ここで今日1日が集約されちゃったんじゃないかというくらいで、あのカン
待ちリーチは滝沢のフォームじゃないんですよ。仕掛けが一人いて、親も手出しがめちゃくちゃ続いていて、そこで滝沢があのリーチをするとは思わなかった。それは滝沢らしくないなと思いました。
そこでタンピン赤赤のヤミテンを張っていた瑞原が、「滝沢さんが来るんだったら私も行きますよ」みたいな感じで追っかけたら、やっぱり滝沢がつかんじゃうんですよね。つかんじゃうのは偶然なんだけど、ここでの18000は18300、というのはすごいアガリでしたよ。
をポンしないことがいい悪いの話じゃなくて、
をポンしないでタンピン赤赤テンパって18000をアガった、それを呼び込んだ
ポンせずがすごかったと思います。だいたいの人がポンすると思うんですよ。4000オールをツモった後の、ポンテン高目12000は。これはすごかったなと思って見てました。
あとは南2局、大介のリーチに瑞原がドラも何もない手でヤミ押ししてアガりきったんですよ。赤なしドラなしで大介の親リーチに全部いけるかというと、いくら点棒があるっていっても、なかなかいけないんですよ。人間って日和るんで。これもすごかったです。
■大介の仕掛けには少し驚いた
あと、今日目立っていたのが、大介の仕掛け倒れになりがちな仕掛けがたくさんあったんですよ。大介って、門前でリーチする人じゃないですか。それを「この手はアガりづらいから鳴いていこう」みたいな2000点仕掛けとか。東1局からタンヤオドラ1の手で、結局2つ鳴いて![]()
待ちとかになる危険な2000点仕掛けをしてそれが不発に終わったりとか、カン
をチーしての
バックとかもやっているわけですよ。そういう仕掛けが多くて、大介にはちょっとびっくりしましたね。途中で修正できたからよかったですけど、あれを修正できなかったからまあまあひどいことになるんじゃないかと思って見ていました。
■一馬のリーチ、あれが自分のフォームならいいが
あと、今日の分岐点になったであろう局が東2局。
がドラで、一馬が役ありの![]()
待ちでリーチするんですけど、僕はあれをヤミにするんですよ。その後、一馬がリーチをかけた後に暗刻にしているドラの
を持って来てカンして、それは当然みんなカンしますけど、ヤミテンで役牌ドラ4赤、ハネ満の![]()
待ちなので、ヤミテンのままなら出た可能性もあるじゃないですか。
そこでまた面白いことがあって、大介がいくら東2局の親だからって、ドラカンの一馬に対してピンフのみの手でリーチしたんです。![]()
![]()
待ちですけど
カンされていて、![]()
ってそこまでいい待ちじゃないじゃないですか。よくあれで追っかけリーチをかけられたなと。かけたことがダメって言ってるんじゃないですよ。かける勇気があるんだなと、やっぱりあれを見て、大介はヘンな2000点とかの仕掛けなんかするより、門前リーチのほうがいいなと思いましたよ。
これも結果論なんだけど、一馬がつかんで、最悪の裏裏。この局、一馬はハネ満以上をツモりに行ったんだと思うんですよ、チーム状況を考えて。でもまだ半分も終わっていないと考えると、2着を狙ってポイントを稼いだときに瑞原をまくれるポジションになっていたらトップを狙いに行けばいい、と僕は考えちゃうので、あの手を8000ではなく12000以上でアガりに行ったのが一馬のフォームだったらいいんだけど、チーム状況を考えてのリーチだったら、ちょっともったいなかったなと思いました。
今日は集約すると、大介と瑞原になりますね。とにかく瑞原がよかったです。

RMU所属、S級ライセンス保持者。最強戦で使用されたキャッチコピーは「RMUの覇王」。
日本プロ麻雀連盟の屈指の強豪として、十段位3連覇などの実績を残す。2007年に多井隆晴らとRMUを設立、2025年にも団体のトップタイトル「令昭位」を獲得している強豪。
YouTube:https://www.youtube.com/@河野高志の俺流















