1回目は嫉妬 2回目は羨望 3回目は…もう笑っちゃうよな 桑田憲汰、前人未到の三連覇!【麻雀最強戦2025 ファイナル 2nd Stage】観戦記【決勝卓】文:沖中祐也

リーチを打つ。

麻雀は、そう毎回ドラマが起きる競技じゃない。
でもなんでだろうな。最強戦では、必ず何かが起きる。

一発のツモ番、JOKERが今日一番、大きく振りかぶる。
【5ピン】【8ピン】は山に1枚だ。

画面に映し出されたのは…

【8ピン】! 一発ツモだ!
今年も、裏ドラの勝負になった。

JOKERはゆっくりと手を伸ばす。

固唾をのんで見守るしかないディフェンディングチャンピオン。

世の麻雀打ちが注目する中… 裏ドラは…

のらない!
この瞬間、桑田の三連覇が確定した。

次の瞬間だった。

JOKERが桑田に笑顔で祝福の握手を求めたのだ。

最も悔しい立場にいるはずのJOKERが、誰よりも早く、誰よりも穏やかな笑顔で手を差し伸べた。

【最強戦とは】

勝った桑田は、文句なく強かった。
そして前人未到の三連覇を成し遂げた。

1回目の優勝のときは、ただただ嫉妬した。
2回目の優勝のときも、やはり羨ましかった。
でも、3回目になるとなんかもう笑うしかない。

だが、この日の最強戦を、より美しいものにしたのはJOKERだった。

最強戦とは、強さを競う大会であると同時に、
どう勝ち、どう負けるかを見られる舞台でもある。

その意味で、JOKERは人としての強さを見せた。
未熟な私には、到底真似のできない振る舞いだ。

また1年後。
ファイナルテーブルで物語が生まれるのか。
その中に、あなたがいても、何の不思議もない。

倒しに行こうぜ。
あの憎たらしいほど強い、将軍を。

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀シリーズ 新刊情報/