リーチを打つ。
麻雀は、そう毎回ドラマが起きる競技じゃない。
でもなんでだろうな。最強戦では、必ず何かが起きる。
一発のツモ番、JOKERが今日一番、大きく振りかぶる。
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は山に1枚だ。
画面に映し出されたのは…
! 一発ツモだ!
今年も、裏ドラの勝負になった。
JOKERはゆっくりと手を伸ばす。
固唾をのんで見守るしかないディフェンディングチャンピオン。
世の麻雀打ちが注目する中… 裏ドラは…
のらない!
この瞬間、桑田の三連覇が確定した。
次の瞬間だった。
JOKERが桑田に笑顔で祝福の握手を求めたのだ。
最も悔しい立場にいるはずのJOKERが、誰よりも早く、誰よりも穏やかな笑顔で手を差し伸べた。
【最強戦とは】
勝った桑田は、文句なく強かった。
そして前人未到の三連覇を成し遂げた。
1回目の優勝のときは、ただただ嫉妬した。
2回目の優勝のときも、やはり羨ましかった。
でも、3回目になるとなんかもう笑うしかない。
だが、この日の最強戦を、より美しいものにしたのはJOKERだった。
最強戦とは、強さを競う大会であると同時に、
どう勝ち、どう負けるかを見られる舞台でもある。
その意味で、JOKERは人としての強さを見せた。
未熟な私には、到底真似のできない振る舞いだ。
また1年後。
ファイナルテーブルで物語が生まれるのか。
その中に、あなたがいても、何の不思議もない。
倒しに行こうぜ。
あの憎たらしいほど強い、将軍を。

麻雀ブロガー。フリー雀荘メンバー、麻雀プロを経て、ネット麻雀天鳳の人気プレーヤーに。著書に「ゼロ秒思考の麻雀」。現在「近代麻雀」で戦術特集記事を連載中。note「ZEROが麻雀人生をかけて取り組む定期マガジン」、YouTubeチャンネル「ZERO麻雀ch」













