堂々、真っ向勝負の叩き合い!
棋士・鈴木大介、プロ雀士を
薙ぎ倒す圧勝劇!
【決勝卓】担当記者:増田隆一 2022年10月16日(日)
麻雀最強戦2022、3/7の「ザ・レジェンド」から12/10.11の「ファイナル」まで、実に10ヶ月に渡る長い戦いもいよいよ最終盤。
「ファイナル」へのチャンスは、今回の「男子プロ王者の帰還」、「アマチュア最強位」、「全日本プロ」の3回を残すのみとなった。
すでに「ファイナル」への勝ち上がりを決めている選手を見ても楽しみではあるが、今回の「男子プロ王者の帰還」からは誰が名乗りを上げるのか?
早速、決勝への勝ち上がり選手を紹介したい。
予選B卓から勝ち上がりは、前田直哉・醍醐大。
まずは鈴木大介。
皆さん、将棋棋士として一流なのはご存知だろうが、この方、2019年、麻雀最強位に輝いた実績はもちろん、「著名人最強決戦」ではなく、この場面に座っていることから分かるように麻雀の打ち手としても一流。
予選A卓では圧巻の攻め倒しを見せての圧勝。
詳しくは実際の映像や、観戦記を見てもらいたいが、解説の瀬戸熊も、勝負師として一切手を緩めない姿勢を絶賛していた。
ただ単に攻めるだけではなく、キチンと手を組んだ上で攻め返す姿勢を決勝でも貫けば、圧勝の未来も想像に難くない。
続いて土田浩翔。
最近の麻雀ファンの方からすると、Mリーグの解説の人と言うイメージが強いと思うが、実はプレーヤーとしても凄い選手である。
プロ連盟の2大タイトル鳳凰位と十段位を並冠していた時期もあり、他にも獲得タイトルは多数。
第9期最強位を獲得している歴代最強位でもある。
予選A卓で、得意の七対子を上がりアガり損なったのはご愛嬌。
3人テンパイの勝負所で満貫をツモアガり、キッチリと競り合いを制して勝ち上がって来た。
※ちなみにそのアガリは、リーチ、平和、ツモ、ドラ、裏と七対子ではありませんでした。
決勝では全国の七対子フリークのためにも、得意の七対子を決めて欲しい。
続いてはB卓からの勝ち上がり、前田直哉。
2015最強位を始め、自団体の最高峰タイトル鳳凰位やグランプリ獲得と実績は折り紙付き。
“岩”と称される鉄壁の守備に目が行きがちだが、ずしりと効く大物手のカウンターパンチが持ち味。
予選B卓でも満貫、ハネマンを連発して危なげなく勝ち上がった。
久しぶりの最強位に向けて、まずは好発進と言った所だろう。
続いては醍醐大。
去年は自団体の最高峰タイトル、最高位の看板を引っ提げて、「ファイナル決勝」まで勝ち上がったものの瀬戸熊直樹の前に涙を飲んだ。
対局前に流れた紹介動画でも、最強戦に賭ける強い想いと自信のほどが分かる。
実際に今回の予選B卓を見ていても、実に安定感のある打ち回しで決勝へ駒を進めた。
予選B卓では相手との距離感を測りながらの、トーナメントを強く意識した打ち方だったが、決勝はトップのみが勝ち上がる。
決勝でトップ取りにシフトチェンジした醍醐の麻雀も楽しみだ。
A卓からは”攻め”の鈴木、土田、B卓からは”受け”の前田、醍醐と、奇しくもハッキリとカラーが分かれた組み合わせになっており、非常に面白い戦いになるのではないか?
それでは対局に移ろう。
起家から醍醐、南家鈴木、西家土田、北家前田の順で対局がスタートした。
東1局から鈴木のキツイ攻めが繰り出される。
親の醍醐がW、と仕掛けてホンイツ模様の中で、役なしドラ1でリーチ。
しかも、醍醐は道中でひと工夫して、を先打ちしている。
、以外の字牌が見えておらず、その瞬間は1シャンテンに見えるが、その後に両面チーが入って生牌のが余ったとなれば話は別。
放銃すれば12000のリスクがある中で、3枚目のを切ってのリーチなので、ワンチャンスのが狙いやすいなど、牌理上の理由はあるだろうが、メインの狙いは違うと思う。
「日和ることなく、攻め切って勝つ」
この局は結果として上がりに結びつかなかったが、この後も鈴木の麻雀はその模打のテンポも含めて常に一貫していた。
鈴木は次局、東2局の親番、果敢な仕掛けから4800は5100の上がりをモノにして一歩リード。
もちろん、対するプロ3人もこのまま黙っているわけもなく、まずはドラ2の前田がポンから入る。
そして北家醍醐も自風の暗刻を手の内に、チーから入り、この形に。
一気に加速する場面の中、ファーストテンパイは親の鈴木。
リーチ。