堂々、真っ向勝負の叩き合い！ 棋士・鈴木大介、プロ雀士を薙ぎ倒す圧勝劇！ #麻雀最強戦2022 【 #男子プロ王者の帰還 】観戦記【決勝卓】担当記者 #増田隆一

入り目によっては危険な醍醐のだったが、が重なり、暗カン。

そしてリンシャンから無筋のを持って来て選択。

行く材料としては、

①待ちであるが親リーチの現物
②鈴木の切りが早い
③トップ目の親番を落とすことに価値がある

行かない材料としては、

①ドラがなので、最低ドラ1は予想される上に、裏ドラが2枚捲れる
②親の捨て牌に～がなく、新ドラも構成に組み込まれている可能性が高い
③を抜けば安全にオリ切れる
④打点が3200しかない

解説、実況も意見が割れる中、じっと捨て牌を見つめた後に天を仰ぎ、を打ち出す醍醐。

2巡後、まるでその勇気を褒め称えるかのように、醍醐の手元にが踊った。

局は進み、東4局。まずは北家土田のこの形を見て欲しい。

5巡目に打ち出された2枚目の。

さて、貴方ならポンテンを取りますか？

土田の選択は取らず。

現状、トップまで満貫出上がり圏内で、受けも両面。他家のチャンスも潰せるし、ほとんどの人がポンテンを取ると思う。

この選択がドラマを生む。

西家鈴木にこのテンパイ。

　ドラ

を打って、などを引いてからリーチ判断や、一度テンパイを取ってからの手替わり待ちヤミテンなど選択肢は色々と考えられるが、鈴木の選択はそのまま即リーチ。

これが功を奏しを一発ツモ。

予選段階から、とにかく攻めている鈴木からすれば当然の選択なのだろう。

それにしても、鈴木の捨て牌にはがあり、土田がのポンテンを取っていればどうなっていたのであろうか？

ポンが入れば状況も変化するし、こればかりは誰にも分からないが、気になる所ではある。

鈴木が頭1つ抜け出して南入。まずは点棒状況を確認しよう。

醍醐　29400
鈴木　38300
土田　21000
前田　11300

醍醐はこの親番で鈴木を逆転するのがベストだが、鈴木に直撃を打たなければ、親番が落ちても満貫クラスのアガリでどのようにでもなりそうなので、状況次第ではその選択を選ぶこともありそう。

土田、前田は醍醐を交わして2番手に浮上するのがベストだが、親番が残っているので”見”に回ることも考えられる。

鈴木は醍醐との差を広げるのがベストだが、この点差のまま醍醐の親番を落とせればそれも良しと言った所か。

先手は前局の勢いそのままに鈴木。

しかし、これを受けた土田がをチーして参戦。

チャンタにドラと役牌で高め安めなく満貫のテンパイ。

最早、リーチ後のように空中でツモ切りを繰り返す土田。

牌が潰れてしまいそうな勢いで盲牌をする鈴木。

ここで醍醐にもテンパイが入る。

リーチの鈴木に、明らかにテンパイの土田。

選択肢は多々あるが、現実的なのは安全なを切ってリーチかヤミテン。

長考の末、醍醐の選択は切りリーチ。

1回勝負の短期決戦と言うことを踏まえた上、攻め返しを見てドラが土田にあると読んだ上で、鈴木から直撃チャンスありと見ての選択。

麻雀とは実に無情で、より深く思考して、ベターな選択を選んだとしても、それに結果が付いて来るかは分からないのだ。

醍醐にしては珍しく、感情を露わに打ち付けられたドラのに2人からロンの声が掛かる。

なんとも言えない表情を浮かべて頭を掻く醍醐。

結果は頭ハネで鈴木への3900（リーチ棒1000点付き）放銃となった。

ここからは圧巻の鈴木劇場の開幕。