Mリーグweeklyダイジェスト
2022年10月10日〜10月14日
開幕2週目を迎えたMリーグ。早くも上位と下位の差が開きつつあるが、まだまだシーズンは序盤。まずは、前週の戦いを振り返る。
■10月10日(月)
対戦カード:赤坂ドリブンズ・EX風林火山・渋谷ABEMAS・TEAM雷電
第1試合
勝負どころとなったのは南1局。親番・トップ目の園田が先制リーチをかけるも、タンヤオチートイツドラドラでテンパイしていた本田がツモ切り追っかけリーチを敢行。そこに瑠美もドラ切りリーチで参戦し、3軒リーチの激突は本田が瑠美への放銃で決着。そこからアガリを重ねた瑠美が、うれしい初トップを獲得した。
1位 二階堂瑠美(EX風林火山)+58.7
2位 日向藍子(渋谷ABEMAS)+8.5
3位 園田賢(赤坂ドリブンズ)▲13.9
4位 本田朋広(TEAM雷電)▲53.3
【観戦記】
ファンのため チームのため 二階堂瑠美であるために 彼女は逆境に立ち向かう(江嵜晋之介)
第2試合
松本吉弘(ABEMAS)が5度のアガリを決めて快勝。序盤から着実に加点してリードを広げ、最後まで盤石の闘牌でシーズン初勝利を飾った。ABEMASはこれで6戦3勝ラスなしとスタートダッシュに成功。シーズン初出場となった勝又健志(風林火山)は、瀬戸熊直樹(雷電)にリーチ一発赤裏3の18000を打ち込むなど、やや不運な形での4位スタートとなった。
1位 松本吉弘(渋谷ABEMAS)+69.3
2位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)+8.5
3位 村上淳(赤坂ドリブンズ)▲28.8
4位 勝又健志(EX風林火山)▲53.3
【観戦記】
「静と動」その先に待っている牌は誰のものか 勝又健志、いざ初陣へ(徳岡明信)
■10月11日 (火)
対戦カード:KADOKAWAサクラナイツ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・セガサミーフェニックス・U-NEXT Pirates
第1試合
渋川が南場の親番で裸単騎での満貫をアガるなどして加点を重ねてリードするが、追撃する寿人がオーラスで逆転条件のリーチをアガりきり、今シーズン初勝利。初戦で2位だった仲林は、箱下の手痛いラスを食らってしまった。
1位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+61.1
2位 渋谷ABEMAS(KADOKAWAサクラナイツ)+19.9
3位 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)▲10.2
4位 仲林圭(U-NEXT Pirates)▲70.8
【観戦記】
憧れのあの人をかわせ! 渋川難波、初勝利までの獣道(ZERO / 沖中祐也)
第2試合
東4局にハネ満をツモって大きく抜け出した東城が、そのまま逃げ切ってトップを獲得。最後は東城以外が競りの状態から、優が2位に上がって試合を終えた。KONAMI麻雀格闘倶楽部の開幕からの連対記録はこの試合で途切れてしまったが、滝沢もしぶとく3位で試合を終え、マイナスを最小限に抑えて試合を終えている。
1位 東城りお(セガサミーフェニックス)+55.7
2位 鈴木優(U-NEXT Pirates)+2.5
3位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲17.8
4位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)▲40.4
【観戦記】
序盤から手を広げて後手踏むとすごく苦しくなるけど、それが東城りおの生きてるってこと打法(越野智紀)
■10月13日 (木)
対戦カード: EX風林火山・KADOKAWAサクラナイツ・TEAM雷電・U-NEXT Pirates
第1試合
強気の攻撃姿勢を貫いた岡田紗佳が、南3局の親番で6000オールを決めて抜け出し初トップを獲得。昨シーズンは年明けまで初勝利がなかっただけに、ホッと一安心といったところか。初戦トップの黒沢はこの試合でも高打点のアガリを決めて、2位で試合を終えている。
1位 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)+73.7
2位 黒沢咲(TEAM雷電)+5.4
3位 鈴木優(U-NEXT Pirates)▲16.5
4位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)▲62.6
【観戦記】
ランウェイを突き進め! KADOKAWAサクラナイツ 岡田紗佳はもう絶対に焦らない。(ゆうせー)
第2試合
瀬戸熊が東1局の親番で大きく連荘し、持ち点を伸ばす。その後も要所でアガリを決め、自身の今シーズン初トップを5万点オーバーの大勝で飾った。勝又は自身の親番で5連続アガリを決めるなど食い下がったが、最後は内川との競り合いに屈し、3位で試合を終えている。
1位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)+73.9
2位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)+0.2
3位 勝又健志(EX風林火山)▲23.3
4位 仲林圭(U-NEXT Pirates)▲50.8
【観戦記】
瀬戸熊直樹、逮捕案件!? リーチ21回の打ち合いを制した 恐怖のリャンメンチー(東川亮)
■10月14日(金)
対戦カード:赤坂ドリブンズ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・渋谷ABEMAS・セガサミーフェニックス
第1試合
多井が東場の親番で猛攻を見せ、持ち点を6万点まで伸ばす。その後は守備を固めながらしっかりとゲームを回し、個人連勝を飾った。オーラスではたろうが満貫をアガって2位に浮上。一方で近藤は箱下のラスと、厳しい一戦となってしまった。
1位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)+66.0
2位 鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)+11.7
3位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲13.8
4位 近藤誠一(セガサミーフェニックス)▲63.9
【観戦記】
麻雀は芸術だ!麻雀星人多井が織り成す美の極致(渡邉浩史郎)
第2試合
東1局の親番で大きく加点した白鳥が、アガリ8回放銃0回という完璧なスタッツで快勝。ABEMASは同日連勝となり、全選手が今シーズン初勝利を挙げた。道中では茅森・園田の2人が箱下に沈むも、オーラスで親番茅森が園田から24000を直撃して大きく素点を回復。園田は、箱下2万点を割り込む特大ラスとなってしまった。
1位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)+97.2
2位 伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+9.8
3位 茅森早香(セガサミーフェニックス)▲24.3
4位 園田賢(赤坂ドリブンズ)▲82.7
【観戦記】
ABEMAS式トップ取りのススメ 大リードで魅せた 白鳥翔の絶妙なバランス感覚(後藤哲冶)
■ピックアップMリーグ
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■10/10-14の結果
開幕2週を終え、8戦5勝ラスなしと絶好調の渋谷ABEMASがポイントを300台に乗せて首位を快走している。同じくラスのないKONAMI麻雀格闘倶楽部が2位をキープ。5位以下はマイナスが3桁台へと沈み、早くも上下の差が開いてきた。
■10/17-21の注目ポイント
まだシーズンは序盤だが、下位陣はセミファイナル進出ボーダーの6位を挟んで競りとなっており、このままズルズルといってしまうのは避けたい。特に、ここまで唯一トップがないU-NEXT Piratesは、そろそろ初トップがほしいところ。起用が増えている鈴木優・仲林圭は、今週こそチームに勢いをもたらすトップを獲得できるか。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。