瀬戸熊直樹、逮捕案件!?
リーチ21回の打ち合いを制した
恐怖のリャンメンチー
文・東川亮【曜担当ライター】2022年10月13日
大和証券Mリーグ、10月13日。
第2試合は総局数19、そしてリーチの総数が21回という、非常にアグレッシブなゲームとなった。結果から見れば瀬戸熊が暴れて勝ったように見えるが、内容は少し違う。試合を振り返りながら、ポイントとなった局面を紹介する。
第2試合
東家:瀬戸熊直樹(TEAM雷電)
南家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
西家:勝又健志(EX風林火山)
北家:内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)
東1局
瀬戸熊は直前に内川から切られたを鳴けばダブの片アガリテンパイが取れたがスルー。Mリーグ屈指の門前派である瀬戸熊の鳴き、しかもそれが序盤であれば、相手からは相当な警戒対象となる。特に2翻役になるダブが切られるケースはそう多くはないだろう。
一方で、直後に切られたは鳴いて5800点のテンパイを取ると、
シャンポン待ちから待ちへと変化させてツモり、2000オール。まずは幸先良く先制する。鳴くならば、しっかりと役を確定させてから。軽々に仕掛けて不安定な最終形にはしないのが瀬戸熊のスタイルであり、それは他の選手も認識しているところだ。
東1局2本場
2巡目、内川が早くもターツ選択の場面となり、マンズのカンチャン払いで打。
3巡目にして、マンズのリャンメンチーが入った。
内川の下家は・・・瀬戸熊である。
実際の手がこちら、ドラドラ赤の満貫テンパイ。正直、誰でも鳴くと思う(あの方だけは分からないが)。だが、それを小林剛でも園田賢でもない、あの瀬戸熊直樹がやった、ということが重要なのだ。瀬戸熊のこの鳴きが、安いはずがない。
瀬戸熊はこういう「全員に高い手がバレる鳴き」を、「バレてるから→逮捕な!」という意味で「逮捕案件」と呼んでいるそうだ。
試合後の瀬戸熊はこの鳴きを「リーチ以上に効果がある」と振り返っている。鳴いたら高打点を警戒されてアガりにくくなるとはいえ、この手で先手を取れず、なおかつアガれないのは最悪。だから鳴いてテンパイを取り、山との勝負に持ち込んだ。
これでアガれなかったらそれこそ(黒◯警察の)逮捕案件になりそうだったが、しっかりとツモアガリ。開局から一気に抜け出すことに成功する。
次局もカンチーから2000は2300オールのツモアガリ。開局から流局1回を挟み、3連続で瀬戸熊がツモアガっている。これはまさか、すでに始まってしまっているのか。瀬戸熊の代名詞、親番での猛連荘。
クマクマタイムが。
東1局4本場
瀬戸熊は7巡目に引いたをツモ切った。もちろん、ピンズを払ってマンズソーズの良形を生かす選択もあったが、ここは789三色を強く見た選択。これが決まりでもすれば、あと1時間は瀬戸熊が親をやりそうだ。
最終的に三色は崩れたが、ピンフ高目イーペーコーのリーチ。勝又もドラ待ちのチートイツでダマテンを入れているが、果たしてどちらが勝つか。
だが、この局面をさばいたのは仲林。役なしカン待ちテンパイを取らずの対応から手を組み替え、ツモタンヤオイーペーコードラの2000-4000は2400-4400で、瀬戸熊の親を終わらせた。
ここまですでに5局を打った瀬戸熊だったが、この後は自身の南場の親番1局を除き、実に13局を打つことになる。
親番が落ちても、瀬戸熊は順調かに見えた。東2局では、先制ペン待ちテンパイを外して好形を求めると、
浮き牌にをくっつけ、打点も待ちもパワーアップしたところでリーチ。
ダマテンを入れていた勝又がツモ切りリーチを敢行した宣言牌を一発でロン、瀬戸熊らしい好形高打点を追った見事なアガリで満貫を決め、さらなる加点に成功する。
しかし、ここからの勝又が怖かった。