南4局
伊達としては、前局の和了で満貫ツモ圏外に抜けられたので、少し余裕のある展開に。
ツモ次第で、攻めてもオリても差しても伏せてもよい。
ドラドラのこの手から、
を切り一応、七対子のイーシャンテン。
メンツ手は見切った。
そして、ここから
を切り、かなり守備的な進行に。
満貫ツモられは大丈夫とは言え、東城と本田への満貫放銃は2着落ち。せっかく逆転で築き上げたリード。慎重に守りたい。
おや、
が暗刻に。
まあまあ、完全安牌だから、これでリーチにも万全の備え。
うん?
トイツを払っている間に、暗刻が2つ完成するという異常事態。
牌の来方が、いけいけと言っている。
というよりこれは、伊達自身が己の才能=ポテンシャルに気が付かず、持て余しているかのようだ。
いったん、考える。
すでに神々しさすら感じるこのポーズで。
考えていたのは、2着の東城の仕掛けへの安全度。
ドラはあと2枚だが赤は1枚も見えていない。固められていると、満貫放銃は逆転を許すが、この
はどうやら切りやすそうだ。
上家の河は
が早く、安全牌の
より先に切られている。そこからずっとツモ切り。いま中筋になった
は557からのシャボに当たりそうにない。さすがにこのオーラスでフォロー牌が切られるのが早すぎる。そもそもまだ一鳴きでテンパっているとも限らない。
というわけで、ここはしっかりと読みを入れて
を勝負すると、
次巡、テンパイ。
は、内川が切った
が東城に鳴かれておらず、比較的切りやすい。
当たり前だが、しっかりと手出し・ツモ切りを確認し、安全度を精査して、押し引きを判断できている。
常に集中して読んだり考えたりしていると、長丁場の半荘だったり、その密度や展開によっては、半荘の終盤に脳がすっかり疲弊してしまい、精度の高い思考を保つのが難しくなってくる。
伊達もまた、時折、拳で頭をゴンゴンと叩く仕草をみせる。
脳の活性化を促すとともに、脳に「喝」を入れ、気合いを注入しているかのようだ。
ただ、この日はそうした姿も見られなかった。
体も心も脳も、コンディションが良好だったのかもしれない。
かくして伊達の手は、
連打で迂回していたはずが、出アガり9600の手にまで育ち帰ってきた。
そして、帰ってきたのは牌だけではない。
王たる伊達の帰還。
Mリーグ加入初年度から、卓越した麻雀センスと圧倒的な存在感で視聴者を魅了してきた、唯一の個人賞三冠王。
「ツモ」
ラス牌の
を淀みなくツモって
・ドラドラは4000オール。
守備気味の進行でも、牌の方から寄ってくる能力。
これぞ「麻雀そのもの」とまで称される、圧倒的な加護。
そして、レギュラーではなぜか相性が悪く、110ポイント負けていた東城への、意趣返しのような4連続和了。
強い。
震撼する伊達の半荘。
東場は東城が4連続和了。間に本田が意地の3軒リーチを制するハネ満ツモでRMOするも、南場は伊達が怒涛の4連続和了で勝負あり。
くっきりと場を制圧する選手が色分けされていた。
そして、一時は完全な三つ巴を示す、橙と緑と黄色の交接点が美しい。
一方で赤の内川は、墜ちて地底を這う焼き鳥で、手も足も出ず。
東城は、東場のリードを守れず、悔しい2着。
本田も見せ場たっぷり「面白い麻雀で魅せてく」れたが、僅かにプラスポイントに届かず。
内川は、明日に控えた誕生日をほろ苦く迎えることになる。
亜樹監督の「えむあと」によれば、ローテーションを崩してまで勝又先生ではなく内川の起用としたのは、バースデイ登板のためだったという。残念ながら44歳最後の麻雀はラスで終わったが、45歳はリフレッシュして、また活躍を見せてくれるだろう。
伊達朱里紗は「セミまたぎ連勝!」の作戦を見事に遂行してみせた。
5連続ラスのトンネルを抜けた先、そのまま優勝へと繋がる架け橋をも渡りきってしまうか。























