ファイナルの重圧を乗り越え、
雷電・黒沢咲がトップで
ハイタッチ!
文・中野巧【火曜担当ライター】2026年5月5日
試合前のチームポイントがこちら。一見、上位2チームの優勝争いに見えるが、すべて直接対決のため、現在首位の風林火山でも安心できるポイント差ではない。ただ首位には「追われる恐怖」があり、麻雀以外のスポーツ、勝負において大番を狂わせてきた実績がある。第三者としてみれば優位なのに、なぜか追い詰められている気がする、あの実際は敵も苦しいのに、自分だけが苦しいように思える感覚。とはいっても勝負は先行有利だ、恐怖とうまく付き合うことができるかどうかがカギになる。
反対に追う側、これは気持ちが楽だ。現状では負けていて、あと勝つしかないので明確な相手だけを見ればよい。圧倒的な差をつくり、残りを消化できるような状況が理想だが、現実的には残り4試合でトップラス1回では心もとない、せめて2回分くらいの差をつけておきたい。ただ2位以下の3チームには優勝経験がないところはマイナス材料だ。何事も未知ほど怖いものはない、加えて「優勝」というプレッシャーがどんな影響を与えるか。
第1試合
東家:高宮まり(KONAMI 麻雀格闘倶楽部)
南家:中田花奈(BEAST X)
西家:永井孝典(EX風林火山)
北家:黒沢咲(TEAM RAIDEN / 雷電)
本日のゲームスタッツがこちら。
リーチ回数は4人中最多で、常に攻め、2枚目の役牌も鳴かない強気な黒沢の選択が勝利を手繰り寄せた。この勝利で優勝まで約トップラス2回分のポイントに。全チームに優勝が残る展開を作り出す。
2位はアガればトップという状況までいったが、最後は交されてしまい、あと一歩だった中田。ただ、ファイナルでも臆さずに危険牌を切るシーンがあり、ポイントを稼いだレギュラーシーズン、セミファイナルの再来なるか。
3位はいたるところで技術やメンタルの強化が評判の高宮。自分の麻雀を貫き、勝負形はしっかりと押し切るもアガリが遠かった。自信を持って打つ姿勢から、充実していることを感じさせ、今後の活躍も楽しみだ。
4位は現在チーム首位の永井。オーラス、ツモって裏が乗ればトップ条件のリーチを打つも結果は手痛い放銃と、トップが見えていただけに一層悔しさが増すような展開に。この結果に折れず、猛将らしい麻雀ができるかどうかが活躍のカギとなる。
本日は2局、ピックアップしてお届けする。
■ファイナルの重圧
南1局、高宮が
–
待ちから雀頭の
が出てポン。トイトイにし、
→
と単騎待ちをコロコロと変えながら、河にほどよくピンズが切られていたので
に狙いをつけた。高宮の
が出た瞬間のポンの声に迷いがなかったことから、高宮の充実ぶりがうかがえる。
中田にホンイツ、ツもれば三暗刻がついて倍満の手が入る。ただし、打ち出すのは通っていない
。レギュラーシーズン、セミファイナルと強気な麻雀でポイントを稼いだ中田は何を切るのか。
インタビューでも言っていたように自分の読みを信じて、
を止め、テンパイを崩した。実際には
は通っているが、自分の考えを貫けるのは強さの1つであるのだが。彼女には
の裏に優勝がかかったファイナルという重圧を感じたのかもしれない。
やはり優勝がかかった試合は、自分だけでなく周りもいつもと違う雰囲気で、それが麻雀に影響することが過去を通してよくあることだ。この局からはファイナルの異様さを感じられた。
■勝負を決めたオーラス
オーラス4本場。アガればトップの中田が役牌を仕掛けてリャンメンテンパイ。
しかし、永井も追いつく。一発でツモか、ツモって裏が乗ればトップ条件のリーチ。
ここでチートイツ1シャンテンの高宮がドラをポンして、トイトイに。ただまだ手は苦しい形が残っているが、ハネマンをアガればというトップ条件は満たしている。
永井のリーチ一発目と高宮のドラポンが入った巡目、中田は危険牌の
を掴む。永井の河に
が早く、
を使ったメンツ、ターツは十分考えられる。ただ、アガればトップ。危険を承知で押す価値はあるが、放銃すればトップ目から3着落ちまであるため、ここはいったん
で迂回。
すると、次巡に
。1牌の後先とはよくいったもので、こんなにすぐ来なくてもいいのに。もし南1局のメンホンで
を切れていたら、一貫性の法則ではないが、ここでリスクを獲る選択ができていたかもしれない。
こうしてアガリが発生せず時間が生まれると、他のプレイヤーが間に合う。親の黒沢はドラがポンされたことにより、引っ張っていたドラを切ることができ、一度は払ったマンズを4→8と引き戻して、3メンチャンで追いかけリーチ。
結果は永井から一発で出アガリ、7700は8900とトップを逆転した。これは麻雀のあるあるでまっすぐ打つと誰かのアガリが発生していたが、様々な要因からそのアガリが出なかった場合はかなりの確率で誰かがアガる。まさにこの局起きたことだ。「ファイナル」が間違いなく要因の1つにある。彼ら、彼女らは優勝のプレッシャー、応援してくれているファンやチームメイトの顔を思い浮かべて打っている。
このファイナル、誰が優勝してもおかしくない。

日本プロ麻雀連盟所属、プロ歴2年目。
英語、イタリア語が話せる。
麻雀プロの活動を中心にするため大企業を退職し、京都に家族を置いて上京。
現在は日本プロ麻雀連盟本部道場でスタッフとして在籍中。
いつかは書かれる側を夢みておもろい麻雀と服装を実践中。
X:@taknakano













