今マンションは
高値掴みかも
「東京のウォーターフロントのタワーマンションが大人気。投資にも最適」
うそでしょ。
不動産広告とのタイアップ記事だと思うんですが、そりゃないわと思いました。
不動産や投資の専門家ではなく、あくまでもギャンブルライターとしての直観ですけど。
ウォーターフロントと言えば、今話題の豊洲新市場を連想する人も多いと思います。
元もと海だった所をゴミの埋め立て地として活用したり、有毒な原材料を扱う工場があったような場所です。
盛り土をして数年放置したくらいでは、地盤が軟かいので元海底のさらに下の固い岩盤まで杭打ちして、建築するそうです。
タワーマンションの中には高さ200メートル近いものまであり、上層階ほど値段が高くなります。
そういう高額物件が無理なく買える人は、いつでも無理なく処分できるので、問題はありません。
物件価格の大幅な下落が近づいて来た時も、情報は先に流れます。
逆に低層階に無理して大きなローンを組んで入居するのは、将来的に苦しい状況に追い込まれるかもしれません。
低層階はタワーマンションの意味が無いので、売りたい時に希望価格で売れない可能性が高い。
特に今は東京オリンピックを控えて、物件価格が高くなっている時です。
底堅い需要があって高価格ならともかく、資材の高騰や人手不足や外国人の投機的な買いによる高値なので、オリンピック終了とともに相場が下落しそうです。
おそらく不動産のプロの間では、もっと早く売り逃げが起こるでしょう。
私はバブル経済時代に買った中古マンションを、借金の返済のために売ったことがあります。
「不動産屋さん、御社には売却の依頼をしません。純粋な不動産鑑定と今後の動向を教えてください」
「正直言って今、私たちは素人に問題物件を押し付けています。今すぐに売ることをお奨めします。またいつでも買えますよ」
新聞もテレビも様々な財テクを奨めている真っ最中でした。
先ほどの情報の話です。
このタイミングでウォーターフロントに投機マンションを買ったのが、白夜書房取締役編集局長の末井昭さんでした。
「あの物件は買った翌日には、相場が五百万円くらい下がってた。山ちゃんは強運だよなあ」
私は運が良かったほうかもしれませんが、それでも数週間の価格交渉をしているうちに最初に提示された価格より少し下がりました。
私が運が良かったのは、商売の失敗で借金ができたことです。
???
もし商売が順調だったら、おそらく一戸建て住宅を高金利で大きなローンで購入していたでしょう。
私も大きな痛手を被っていたに違いありません。
その後アメリカのサブプライム住宅ローン危機が起きた時に、一部のアメリカ人のライフスタイルをこう評した人がいました。
「金も無いのに、どうでもいい物を、どうでもいい人たちに見栄を張るために、返せないほどのローンを組んでいる」
気をつけなくちゃ。
多能工になって
ワークライフ
バランスを
毎月の固定支出で一番多いのは住宅費です。
「給料の3分の1がメド」と言われてます。
賃貸でもローンでもあまり無理をしないのがいい。
更新の時に家賃を下げてもらうことも交渉しましょう。
もし家賃の保証会社に保証料を払っていて、家賃の未払いが無ければ、保証料を無くしてもらうとか。
保証料自体は高くはありませんが、交渉の経験は役立ちます。
高い住宅費や車のローンを払うために、生活残業をしなくてはならないようなら考え物です。
生活残業というのは、仕事に必要な残業ではなく、自分の生活のために、無駄な残業をすること。
極端な場合、定時の就業時間には手を抜いて終わらなかった仕事を名目に残業するなど。
一部の公務員に多いとされていますが、一般の会社にもあります。
末井さんの部下だったある編集者は就業時間に手を抜いて、残業時間は雀荘で遊び、深夜にタイムカードを押すだけの人もいました。
これはもったいない。
会社の残業代がもったいない以上に本人の能力がもったいない。
労働密度と質が大きく低下するので、本人にも本当の実力が分からなくなってしまいます。
定時には目いっぱい働いて、会社に内緒で他にアルバイトをするってのはどうですかね。
残業代ほど稼げないかもしれませんが、新たな経験と人脈と能力が付くかもしれません。
職種によっては、バイトしなが衛生管理者、防火管理者の資格に挑戦するのもおもしろそう。
配管技能士や電気工事士などは、日常の生活も役立ちます。
頭を使うのが本職なら、終業後や休日には、体を使うアルバイトがバランスがいいかも。
一つ一つの資格では大した収入にならないかもしれませんが、合わせ技なら信頼度は高まります。
タスクラビットのような便利屋さんで人気者になるとか。