熱論!Mリーグ【Thu】
魂を込めた覚悟の一打!
瀬戸熊と近藤が味わった
”18pt”
文・真中彰司【木曜担当ライター】2018年12月20日
12月20日。霧笛記念日?シーラカンスの日?そんな場合ではない!
この日のMリーグは、セガサミー以外は今年の最終戦となる戦い。
なんとしても良い形で今年を終えたいと思うのは当然だろう。
そんな思いを抱いて卓上に登場したのは雷電・瀬戸熊直樹だ。
雷電としては年内にトータルプラスに戻しておきたいところだ。
南1局。瀬戸熊は東場を終え、頭一つ抜けたトップ目。
3着目の前原が親なので、是が非でも流して石橋との1対1に持ち込みたい場面だ。
中盤でをポンして、待ちで3900点の聴牌。
そこに”門番”こと前原が立ちはだかる。
何とか追いつき、とドラのシャンポンでリーチをかけた。
一発で瀬戸熊が掴んだのはまさかの。
一瞬の間こそあったが、瀬戸熊は意を決してそのをツモ切った。
前原の「ロン」の声が低く響く。無情な18000放銃。
さて、この放銃を視聴者はどう捉えるだろうか?
もちろん「やりすぎ」「トップ目だから守ればいいのに」という声もある。
はたまた「これは押すしかない」「強く行って当然」という声もある。
降りる人の方がやや多いように感じるが、実際はどうなのだろうか?
①降りる理由
49900点持ちのトップ目から放銃して、着順を下げるリスクを背負う必要は無い。
更にドラで一発放銃すれば、相手の打点は12000点以上だろう。
幸いにもが現物で、更にが4枚見えでが通っている。
そのためも比較的安全な牌と言えるだろう。
②押す理由
自分が両面テンパイで、リーチの現物はのみ。
もしを抜いてもいずれ手詰まりになってしまう。
ならばアガった方が早いという見方だ。
更にダンラスの近藤も2副露で応戦している。
近藤には刺さっても良いと考えて押すのも一手だろう。
このように、どちらの選択にもいくつかの理由が存在する。
では、なぜ瀬戸熊は押したのか?
それには、瀬戸熊の心情を少し想像する必要がある。
まず、前回の2連ダンラスの分を取り返したい気持ちはあるはずだ。
そして前原の雀風なら、愚形リーチも十分有り得ると読むのも当然だろう。
更に、瀬戸熊にとって
”アガリ逃しは最大のタブー”
なのだ。
ここで押さなければ
”瀬戸熊直樹の麻雀”
とは言えないのだろう。
その自問自答の末に瀬戸熊は押しを選択したのではないだろうか。
勿論、降りた方が良いという意見も正しい。私もこの局面では降りる。
だが、このは
「これが雷電の、僕の麻雀です」
という覚悟の一打だったのだ。
そして、決死の覚悟を見せる選手がもう一人。セガサミー・近藤誠一だ。