魂を込めた覚悟の一打!瀬戸熊と近藤が味わった”18pt”【熱論!Mリーグ】

セガサミーも苦しい順位で、マイナスを2ケタまで戻したいところ。

迎えた南4局、順位はダンラスとまさに崖っぷちの状態。

このまま終わると、トータル7位に転落してしまう。

そこで近藤はをポンして打とした。

他家にプレッシャーをかけ、特に前原の手牌進行を遅らせる狙いだ。

上家の石橋が2着浮上を狙うため、ある程度鳴けるという計算もあっただろうか。

しかし、そこに猛然と索子を押し続ける男が一人…

先ほどの放銃で2着に落ちた瀬戸熊だ。

前回の2連ラスを取り返すために、是が非でもトップが欲しい。

跳満条件を満たすために。4巡目から刻子手に決め打って進めると…

なんと役満・四暗刻をテンパイ。

ツモれば文句無し、で出アガりしてもトップとなる。

瀬戸熊は不退転の覚悟で「リーチ」と宣言。

もちろん近藤も退くわけにはいかない。

苦しいながらものシャンポン待ちで清一色の聴牌。

この時点で近藤の待ちは3枚、瀬戸熊の待ち牌は2枚。

勝負は近藤と瀬戸熊のめくり合いに持ち込まれた。

緊迫した雰囲気の中、突如近藤が天を仰いだ。

ドラのを持ってきてしまったのだ。

変則的な河の瀬戸熊に対しては超危険牌。

リーチ・チートイツ・赤1のドラ単騎での跳満も十分にあり得る状況だ。

「ダンラスだから」「親だから」と、を押す理由は確かにある。

「えいっ」と一思いに切る選手もいるだろう。

だがしかし、近藤のリアクションの背後にある葛藤を想像せずにはいられない。

もちろん後に退けない状況なのは分かっている。

しかし、このドラを簡単に切っていいのか。

それが果たして

近藤誠一の麻雀

なのか。

放銃したとして、自分は納得できるのか。

その覚悟を決めるため、数秒の時間を要し、近藤は勢いよくを打ち出した。

魂を込めて、命を削って、一打一打を打ち出していく両者。

「くっ

小さく唸った黄金の左手には、深紅に輝くが握られていた。

近藤誠一、魂の6000オール。

この日は放銃が続き、心が折れそうになっていたはずだ。

それでも苦難を乗り越えた先に見えた、一筋の光明だった。

この半荘でセガサミーは最下位になってしまったが、

近藤が決死の覚悟でもぎ取ったこの18ptは必ずチームを助けてくれるだろう。

「まだだまだ戦える!」というメッセージを十二分に感じた闘牌だった。

この日はMリーグ史上、ベスト3に入るレベルの名勝負であろう。

瀬戸熊と近藤、両者ともリーチに対してドラを勝負した。

一人は18pt分を放銃し、もう一人は18pt分を和了した。

決して結果だけを見てほしいのではない。

両者ともリスク・リターン・自分の信念など全てを勘案して

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