魔裟斗さんのプロ論 サイバーエージェント社長・藤田晋が著書「仕事が麻雀で麻雀が仕事」で麻雀プロに提言
「藤田は勝負強い!」
ビジネスの世界でもそう呼び声の高いサイバーエージェント・藤田晋社長による「勝負強さ」を身につけるための実践記が麻雀ファンだけでなく、麻雀を知らないビジネスマンの間でも話題を集めている。キンマWebでは2018年8月に発売された著書
「仕事が麻雀で麻雀が仕事」
の中から、作者・藤田晋氏が特に伝えたい、麻雀を知らない人が、麻雀に興味を持ってもらえるような記事を抜粋して紹介していきます。
【魔裟斗さんのプロ論】
AbemaTVで放送した「格闘代理戦争」という番組が話題になりました。格闘界に新しいスターがなかなか育たないという業界の危機意識から、既に一線を退いている魔裟斗選手や山本KID選手などが発掘した、次世代スター候補生がK-1プロ契約と賞金300万円をかけて戦う企画です。
この番組の最終回、魔裟斗さんが、優勝しプロデビューが決まった松村英明選手に対して最後に教えたプロの心構えが印象に残りました。
「プロは”勝てばいい”だけじゃない」「いかに”魅せて勝つ”か」「目の前の相手+お客さんとの勝負」「ただ勝つだけじゃ金にならない」
これはメディアの立場からすれば、すぐに腹に落ちる話です。メディアのお客さんは視聴者であり、それが運営の収益源になっています。お客さんが退屈するような地味な試合をする人をキャスティングしたいとは思いません。興行主の立場からも同じことです。本人にもファンが増えないでしょう。つまり、お金という意味では魔裟斗さんの言うとおりプロはただ勝つだけでは稼げないのです。
スター性のある亀田興毅選手の派手な入場パフォーマンスや、亀田大毅選手の勝った後にリング上で唄う歌は、ボクシング自体の強さとは関係ないですが、観客に魅せる力があり、それで”なおかつ強い”のが金を稼げるプロの条件といえます。
AbemaTVではプロの麻雀対局の人気が高まっていますが、未だに派手な著名人が出演する麻雀の方が視聴数を稼げるという現実もあります。いくら麻雀のレベルが高くても、皆が地味な見た目でマナーよく行儀良い麻雀を打っていたら、マニアはともかく一般層までは広がりません。
格闘技で言えば判定ではなくKOで勝つように、麻雀プロが内容で毎回圧倒的に魅せられたらそれでもいいのですが、それも難しいので服装や仕草や表情など、卓外でも個性を発揮してほしいものです。
先日、多井隆晴プロがtwitterでRTDリーグでの打ち方について見解を書いていました。「予選は最下位が最大のリスク。でもそれを回避するために消極的な打ち方はしません。番組的にもエンタメとしてそれが面白いとは思わないからです」プロとは何かを知っている人の言葉だと思います。
ただ純粋に麻雀が好きで強くなりたいという人も多いでしょう。しかし、お金をもらって「プロとして勝つ」にはそれだけでは足りないのです
※サイバーエージェント社長・藤田晋 著「仕事は麻雀で麻雀は仕事」より抜粋
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