鳴き読み
文・越野智紀【火曜担当ライター】2024年1月30日
第2試合
東家:日向藍子(渋谷ABEMAS)
南家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
西家:東城りお(セガサミーフェニックス)
北家:二階堂亜樹(EX風林火山)
オーラスは持ち点によって打ち方が大きく変わってくるものです。
この手牌をもらったのがトップ目の日向選手なら切りのダマテンで、親番の亜樹選手ならリーチをかけていては暗カンになりそうなところですが、1,300・2,600をツモってもラス抜け出来ない立場の東城選手の場合は話が別。
をカンせず切りのテンパイ外しで、678の三色やドラの引きなどを目指すことになりました。
一方で、トップまで6,800点差の3着目でオーラスを迎えた仲林選手。
あまり見栄えのしない手牌でしたが、嘆くことなく与えられた材料と向き合うと
ドラのや一盃口の1翻を求めて切り。
数巡してカン待ちでテンパイが入ると、課された条件をクリアするためには悪くない形だとリーチに打ってでました。
リーチをするまでが腕でそこからは運みたいな話をたまに聞きますが、この局に関しては条件に合わせて打てば誰でも辿り着けそうでテンパイまでも運の範疇。
腕はこの条件を作りだした道中の積み重ねの部分にあったので、試合の序盤から振り返ってみたいと思います。
東1局
はい、今週も鳴き読みの時間です。
終盤に場に1枚も見えていなかったドラのを切ってきた東城選手はテンパイが濃厚で、を仕掛けた時にはを手出ししていました。
ここでは前巡にを切ってペンのターツを固定していたのが大事な情報です。
の手出しからからを切ってのリャンメン固定でないこともわかりました。
の受け入れを減らしてペンチャン固定しているのでは手役に絡んでいる可能性が高く、チー出しのはほぼ関連牌です。
が3枚見えが4枚見えということもあり、ほぼ三色のカン待ちに見えます。
一応深く読んでいきますが、ほぼ三色のカン待ちです。
以下の※の部分は長くなるので読み飛ばしても問題ないと思います。
※を鳴いてを切る時の主なピンズのパターンはややややといったところ。
暗刻からトイツにしたケースは前巡からを切ったことになり矛盾が生じるので消去。
次巡がツモ切られているのでとも消去。
からのチーして切りの場合は手役がマンズの一気通貫か。
一気通貫の場合は先切りしてを残していることに違和感があるので消去。
やが暗刻の場合は+もう1枚でを先切りしても違和感のない形はからの切りのみで、からのツモ切りに違和感があるのでこれも消去。
からを先切りしてチーしたケースは微妙にありそうなので、消去法でいくと東城選手の待ちはカンかやとのシャンポンと絞ることができそうです。
次に亜樹選手の仕掛けです。
マンズとピンズのリャンメンターツ落としから入り、安全牌のが余った後に
を仕掛けて親に無筋の切り。
先に切っての切りなので、ソーズのホンイツでテンパイしていそうです。
一応深く読んでいきますが、ほぼソーズのホンイツです。
以下の※の部分は長くなるので読み飛ばして問題ないと思います。
※仲林選手の目線で見えているソーズが21枚あるので残りのソーズが15枚。
見えてはいないが東城選手の手にがありそうなので残り12枚。
見えてはいないが日向選手がをチーする時に鳴き方で迷っていて手にがありそうなので残り10枚。
残ったソーズで切りからは無さそうなので残り9枚。
10枚未満になったので亜樹選手の染め手はチンイツじゃなくホンイツになります。
残った字牌であるかのどちらかか両方かを持っていそう。
とはどちらも1枚ずつ見えていて、亜樹選手が持っているなら東城選手の役牌バックの可能性が下がり三色カンの確率がさらに上昇しそうです。
次に日向選手の仕掛け。