鳴き読み【Mリーグ2023-24観戦記 1/30 日向藍子 VS 仲林圭 VS 東城りお VS 二階堂亜樹】担当記者 越野智紀

【6ソウ】をチーして切られた【赤5ピン】は東城選手や亜樹選手には安全牌なので、まだテンパイしているかは判断が難しいところです。
ただ2巡目のダブ【東】切りや【7ピン】【5ピン】【3ピン】【1ピン】の連続したターツ払いから仲林選手は日向選手の進行が早いと判断。
それから【6ソウ】をどちらで鳴くか悩んでチーしたことで、【6ソウ】【9ソウ】待ちの雰囲気を感じていました。
【白】を絞って【7ソウ】切りでスリムに構えていたと考えると日向選手の歩んだストーリーに矛盾は無さそうです。

三人の鳴きを見て一人ノーテンの可能性がかなり高いと考えた仲林選手は

山に待ちが残っていなかった東城選手への差し込みを選択。

一人ノーテンで終わる可能性が高い局を2,000点の放銃に抑え、日向選手の親も流すことに成功しました。

東3局1本場

引き続き鳴き読みの時間です。
最終手番でテンパイをした仲林選手。

ここで【8ピン】を押していいかを考えます。
【白】を仕掛けた時の【中】切りが日向選手の最終手出しで、それから道中で【5マン】は暗カンしていましたが嶺上牌【發】はツモ切り手牌に変化はありません。
ここでは【白】を仕掛ける前巡の【9マン】手出しが大事な情報となっていました。
【9マン】【7ソウ】の後に切られた牌で手牌に関連していそうです。
【9マン】の周辺に【7マン】【8マン】といった雀頭がある場合はカン【8マン】やペン【7マン】の受けも残して【中】【9マン】の順番が逆になりそうなので、マンズの部分は雀頭ではなくメンツと読めます。
【6マン】が3枚と【8マン】が2枚と【9マン】が全て場に見えているので、マンズのメンツの部分は【7マン】【7マン】【7マン】【6マン】【7マン】【8マン】のどちらかになります。
【白】を仕掛けて雀頭の無い人は【赤5マン】【5マン】【5マン】【6マン】【7マン】【8マン】【9マン】【中】【赤5マン】【5マン】【5マン】【7マン】【7マン】【7マン】【9マン】【中】から【9マン】は切らないので雀頭はありそうです。
ターツが足りていない人は【中】を残して【4ソウ】【7ソウ】【9マン】を切らないのでターツも足りていそうです。
【白】ポンと【5マン】暗カン以外に手牌にマンズのメンツがあり雀頭もありターツも足りているということは、日向選手はテンパイしていることになります。
仲林選手は【9マン】【中】の切り順一つでテンパイを看破してくるので恐ろしい人です。
仕掛ける時はリスクを負って切り順を変えたほうが良いのかなとさえ思わされます。

日向選手がリスクを負った先切りしていないとすれば、雀頭部分は【2ピン】から【7ピン】のどれかか【1ソウ】になりそうです。
待ちはリャンメンなら【2ピン】【5ピン】【4ピン】【7ピン】【5ピン】【8ピン】
愚形なら【4ピン】【5ピン】【7ピン】あたりのカンチャン待ちか、シャンポンなら全ての生牌が危険な状況でした。

仲林選手が切りたい【8ピン】はリャンメンでしかあたられない牌で、多く見積ってもロンされることは4回に1回程度。
その場合は雀頭が【2ピン】【3ピン】【4ピン】【1ソウ】のどれかになるのでドラも絡みません。

放銃率25%未満で打っても【白】赤の2,600点なら打つべきだと決断しました。

この【8ピン】を鳴けばテンパイが入る東城選手でしたが

余る【7ピン】があらゆる形に危険な牌。
ドラ跨ぎなので支払いも5,200以上の用意が必要とあって、ここは鳴かずにノーテンを受け入れました。

ギリギリを通されてロン牌を止められた日向選手にとって、このテンパイ料1,500点は御不満な結果となりました。

仲林選手は精度の高い鳴き読みで小さな得を積み重ね、オーラスに満貫条件を残すと

仲林選手の下に集まってくる【5マン】たち。

ツモ【5マン】・裏ドラ表示【5マン】・カン裏表示【赤5マン】で逆転トップ。

僅かな風を捉える仲林選手の操舵術でPiratesの航路は再び安定域に入りました。

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