【渋川難波】麻雀番組で強くなれ【第9回】村上淳

その9 ヤミテンケアのタイミングを図れ

配信対局を見ていて一番盛り上がるのは、和了が出た瞬間でしょう
しかしそれと同じくらい盛り上がるのが、和了牌を止めた瞬間でもあります。
リーチや仕掛けに対して止めるのは、よく見るでしょう。しかし、ヤミテンに対して当たり牌を止めるのは非常に難しいので、そこをモノにするためにはトッププロの麻雀を見て勉強するのが一番良いでしょう。
さて、それでは今回の例題です。

「メンゼンでの進行に定評のある」村上選手。ここで、何を考え何を切ったでしょうか?

 

解答

 

切り

解説
これははっきり言って非常に解説の難しい打牌です。しかし、とても深い思考の末放たれた打牌ですので、しっかり考察していきたいと思います。
まず、状況をまとめます。
①微差とは言えトップ目。親の茅森選手とは5200差、下家の藤崎選手とは8700差、対面の白鳥選手とは12500差
②自分で和了るのが一番だけど、手はかなり悪く、とても和了れそうにない
③放銃すると三着落ちも十分あるので、この局はしっかりオリたい

となっています。


つまりここからどうオリるか?というのが今回のメインテーマです
「え?オリるなら切ればよくない?」と思ったそこのあなた、それは間違いです。
何故なら、まだ誰からも仕掛けやリーチは来ていません。今この安全牌達を使うと、いざリーチ!と来られた時に切るものが無くなって、困ってしまうのです。
「なら、今のうちに危ないとかを切るってのはどうなの?」と思ったそこのあなた、それも間違いです。

何故なら、もしかしたらヤミテンが入っている可能性もあるのです


(実際白鳥選手にのヤミテンが入っていました)

「オリる!」と決めたのにど真ん中の牌を切ってヤミテンに打って三着に落ちた!では笑えません。
つまり、ここでの一打は「リーチが来た時のために安牌は残しておくが、今完全に無視するわけでもない。比較的通りそうな牌を選んで切る」
となります。
これは非常に難しい考え方ですが、実戦で役に立つ考え方でもあるので、意識してみてください。
さて、ではそれを踏まえてここで何を切るべきか、という話に戻ります。
この状況で、安いヤミテンをする人はいません。逆に言うと、どんな手ならヤミテンにしているか?と考えます。
ドラも赤も一枚も見えてないので、ピンフドラドラ赤、タンピン赤赤、三色赤ドラ、この辺りが容易に想像できるでしょう。
つまり、ヤミテンだと赤含みの手の可能性が高く、赤周辺の牌の危険度が上がっているのです。

つまり「赤周辺の牌は切らない」となりは除外。
「安全牌もまだ切らない」のでは除外。
残る選択肢は...、そして今切れたばかりのとなります。
ここから何を選ぶかは、好みによると思います。しかしそもそも相手のテンパイ率がかなり低いことを考えると、誰にも通ってないを今のうちに対子落とししておくと、安牌を溜め込むことができるので、今後放銃する危険性はかなり低くなります。
ということで、ここは放銃リスクと安牌残しのバランスを考え、切りとなりました。
この守備力こそが、村上選手の一番の強さだと僕は思っています。
この放銃回避は地味ですがとても重要なので、皆さんも守備を学ぶ時はぜひ参考にしてみるといいでしょう。
それではまた!

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