強い奴らと打つためにプロになった 頂上決戦に挑む堀慎吾の胸中【Mリーグ2020観戦記11/10】担当記者:ZERO

それでも堀は考える。

不利なのは百も承知だ。

しかし、まずオッズが違う。
トップへのボーナスポイントと、3着へのペナルティポイントを比較すると、トップになる現象が3着に落ちる現象の1/3でも見合うのだ。

村上だってリャンメンと決まったわけではない。
愚形だってチートイツだってある。

ワイはなんのためにサクラナイツに呼ばれたのか。
トップを持ち帰るためや。

堀はまっすぐと場を見据え、いつもより少し力のこもった手で

を切った。

「ロン」

無情に響く村上の声。

を捉えて5200のアガリ。

オーラスの多井の親は、勝又が軽く流し、頂上決戦は勝又がモノにした。

勝又は僥倖のアガリのあとは、展開が向いた。
子が打ち合ってほとんど点棒を減らすことなくセーフティリードを保ったままだった。
その中でも、全くの隙を見せなかった。

そうした中で、やはり印象的だったのが堀だ。
を掴んだ時、初めて苦悶の表情を浮かべた。

飄々としているが、やはりそれだけトップが欲しかったのだと思う。

メタルスライムは逃してしまったが、ナタを振り続ける限り、必ずトップを量産する時期がくるだろう。

「とにかく強い人と打ちたい」
そう言っていた堀は、今一番幸せなのではないだろうか。

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