ギャンブルで儲かるのは
ハウスとコーチ屋とゴト師
相変わらずの昔話で恐縮ですが、かつて私はゲーセンの換金できるゲームを攻略していたことがあります。
パチンコ攻略ライターの銀玉親方だった頃よりもさらに前の、20代のころです。
メーカーやハウスの盲点を衝いた方法で勝つんですが、一番の問題は、攻略法を使っているのがバレないようにすることでした。
毎日のようにバカ出ししていると
「あの台がそんない出るハズがない」
と店長に見抜かれてしまうからです。
新宿歌舞伎町にある、数軒のゲーセンから少しずつ勝つようにするんですが、どこの店も換金する時には不審がられていました。
たまには負ける演出もすればいいんでしょうが、若くて目先のお金が欲しので、そんな余裕はありませんでした。
結局はバレるまでやって、歌舞伎町の店ぜんぶで出入り禁止になってしまいました。
当時の歌舞伎町は今よりも怖い街で、店長の一人には少し脅かされました。
その時私が学習したのは
●ギャンブルはハウスが儲かる。
●合法的な攻略法も、ハウスはゴト行為と認定する。
●ハウスは公法よりも私法を適応するので、私刑(リンチ)になることがある。
あー怖わ。
歌舞伎町を出入り禁止になったので、京都まで遠征したこともあります。
こちらは超短期勝負で、たったの1日で数軒の店で出入り禁止になってしまいました。
数台掛け持ちで打って、コインを出しっぱなしにするんだから、当然といえば当然です。
ここでも学習。
●なんだ、コソコソやるよりも効率がいいじゃん。
●いやいや、危な過ぎるのわ。
その後私は、高田馬場の大手パチンコ店で働いたんですが、ハウスルールに従わないお客さんが、地下の駐車場で私刑に遭うのを、何回も目撃しました。
ギャンブルでコンスタントに、リスク無しに勝つのは、至難の業だと認識しました。
その後、銀玉親方の時代には、パチンコそのもでもでだいぶ勝ちましたが、実際にライター業の方が、主な収入源でした。
これもギャンブルの宿命的な構造ですが、優秀なプレイヤーよりも、コーチ屋のほうが儲かるんです。
その他には、ギャンブル資金の金貸しとかね。
さらに、パチスロなどのギャンブルの道具をハウスに売るメーカー。
周辺機器メーカーや販社。
上場している会社も多く、これらの産業を維持しているのが、最終的はファンのサイフなんだから、そう簡単には勝てませんよね。
「自分のギャンブルの生涯収入は、一億円くらいになりそうだな」
若いころは、まじめにそんな事を考えてたんですが、実際は逆になってしまいました。
私の雀荘での、従業員の負け分が長年の内に一億円を突破したんです。
ウソもハッタリも
通用しなくなってきた
私は「パチンコ必勝ガイド」で長く仕事をしましたが、とても好きなコミュニティでした。
編集長の末井昭さんや、編集者、攻略スタッフ、パチプロ、ライターなどのみなさんが、とてもパチンコに対して真摯なんです。
10年ほど前にガンで亡くなった、東大中退のパチプロ幸憲(たやま ゆきのり)さんの、パチプロ日記には
「パチプロなんかなるものじゃない」
と本ねが記されてます。
パチプロ生活はハウスのクギ調整次第ですからね。
田山さんの日記が嘘偽りの無いデータなのは、田山さんと同じ台を打ち込んでいるファンには、良く分かります。
当時は、まれに疑わしいデータを実践記に載せるパチプロもいましたが、熱心なファンはすぐに見抜いていました。
今の麻雀も、ネット麻雀だけでなく、リアル麻雀のほうも、正確なデータと客観的な分析が、週流になっているのは嬉しいことです。
今は、ファンの統計リテラシーのレベルが格段に上がっているので、ウソやハッタリが通用しなくなってます。
これは日常の生活にも言えます。
上司が部下に立派なことを言っても、本人の実態がそうでなければ、特にLINEやFacebookなどの、SNSを活用してる部下に、やがてバレてしまいます。
逆もそうです。
転職の面接で、いくら自分を飾っても、面接官には見抜かれることが多いでしょうし、首尾よくクリアして入社しても、長続きしません。