チームメイトの信頼を胸に戦い抜いたアマゾネス 和久津晶、悲願の初勝利【熱論!Mリーグ】担当記者:東川亮

熱論!Mリーグ【Fri】

チームメイトの信頼を胸に

戦い抜いたアマゾネス 

和久津晶、悲願の初勝利

文・東川亮【金曜担当ライター】2019年12月20日

2シーズン目を迎えた「大和証券Mリーグ」は、12月20日の試合が年内の最終戦となる。第1回戦では、セガサミーフェニックス茅森早香が勝負どころを制して見事にトップを獲得して、第2回戦へとつなげた。

年内ラストマッチを勝って気分良く来年へ向かいたいのはどのチームも一緒。特にEX風林火山U-NEXT Pirates、そしてセガサミーフェニックスの3チームに関しては、この試合の勝ち負けによって年内をプラスポイントで終えられるかどうかが決まるという1戦になった。まだシーズンの先は長いとは言え、やはりプラスで年末年始を迎えられるかどうかは、気持ちの上でも違うものだろう。

そんな今年を締めくくる試合でセガサミーフェニックスが起用したのが、ここまでMリーガー29選手中、唯一トップがなかった「超攻撃型麻雀アマゾネス」和久津晶だった。この正念場でチームの浮沈を託されたのは、いまだ揺るがぬ彼女への信頼の証だ。

もがき苦しんだ2019年を笑顔で終えるためにも。

任せてくれた仲間の期待、そして応援してくれるファン・サポーターの期待に応えるためにも。

和久津の決意に並々ならぬものがあったことは、想像に難くない。

第2回戦

東家:内川幸太郎サクラナイツ

南家:石橋伸洋U-NEXT Pirates

西家:和久津晶セガサミーフェニックス

北家:滝沢和典EX風林火山

 

東1局東2局は滝沢が連続で満貫をアガる。最初の満貫は1枚切れで手牌に浮いたを残した選択が見事に決まり、次局もドラの暗刻をしっかりと生かした形で打点を作った。

東3局、和久津の親番。和久津はここまでの8戦で「親番での連荘が一度もない」というデータが残っている。滝沢に走られた以上、トップを獲るにはここでの連荘、そして加点がどうしても欲しい。

 

 

しかし、決していいとは呼べない配牌ながらイーシャンテンまでこぎ着けるも、不要牌のが石橋のジュンチャンドラ3に捕まり、8000点の放銃となってしまった。

ペンチー、ドラのポン、カンチーという石橋の仕掛けから、チャンタジュンチャンといった役は真っ先に想定できる。もちろん、和久津からすればこの牌が危ないことは十分承知。親番ながら厳しい形が残るイーシャンテン、まわるのは簡単だし、実際にそうする打ち手も少なくはないだろう。

しかし和久津は前に出た。やはり親番での加点チャンスを重く見た、というところが大きかったのだろうか。勇敢と無謀は紙一重だが、ここ数戦なりを潜めていた和久津の攻めっ気が出たシーンだったように思う。

もしかしたら、「また」の二文字がよぎった人もいたかもしれない。しかし、この日の和久津はここからが違った。

次局、石橋からチートイツ待ちのリーチが入る。

直後、和久津もテンパイ、しかし出ていくは無スジ。さらに現状はピンフ赤、2000点のテンパイと、打点的にも心許ない。どこまで行くか、それとも引くか。

などリーチに対して現物はあるが、それらを打つとこの局はほぼ終戦。無スジを打ち切れないなら親の滝沢の現物であるのトイツ落としという選択もあるが、それは最悪の結果を招くルートだ。

意を決し、和久津はを打ってテンパイを取った、しかしダマテン。石橋の現物待ちなので、リーチを受けた他2者から出ることを期待した選択か。

は打たれず、局は終盤へ。16巡目、和久津はここで通っていないをツモ切り、リーチを宣言した。脇が打たないならば山にいるという判断か。

これがバッチリのタイミングで、次巡に一発でをツモ。2000-4000のツモアガリで点数を回復し、南場の戦いへと移っていった。

石橋のドラカンリーチが流局した南2局1本場、和久津は2巡目でを切っての待ちリーチ。これをあっさりツモって1000-2000は1100-2100。2着目に浮上して親番を迎える。

ここまでのMリーグにおいて、和久津には苦い思い出の親番しかなかったように思う。しかし、2019年のMリーグ最後の親番では違った。

ネックのドラを引き入れてカンチャンを埋め・・・

浮かせたをくっつけて、ピンフドラ1を即リーチ!ついに親番で「先手・好形」がそろった手が入った。

待ちのは山には少ないが・・・

をツモ、そして裏裏! 6000オールでついにトップ目へと突き抜けた。

待望の連荘を果たし、ここで一気に滝沢を突き放したいところ。滝沢は国士無双に向かい、5巡目でイーシャンテンまでこぎ着ける。欲しい牌は

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