渋谷ABEMASが生んだ
超絶バランサー
白鳥翔が作り上げた
「究極の一局」
文・ゆうせー【木曜担当ライター】2022年 11月 10日
「間違いなく『本物』だ。」
かすかな身震いさえ覚えながら、試合を見終わった私はそう感じていた。
第1試合
東家:堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
南家:魚谷侑未(セガサミーフェニックス)
西家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
北家:村上淳(赤坂ドリブンズ)
鈴を転がすような声。伊達の選手紹介で幕を開けた1戦目。
この試合で特筆すべきことの一つは、実況 日吉辰哉の「順応力」である。
白鳥のこの一打に関して、
伊達「自分の受け入れで切りでしたね」
日吉「イーシャンテンにしたっていうことですよね」
と言葉を添えていたように、試合序盤では、実況解説の垣根を越えながら、日吉が伊達をサポートする絶妙なコンビプレーを見せていた。
「二人合わせてその場に合った情報を届けよう」
という意図が感じられて、本当に素晴らしかったように思う。
そして、やはり普段日吉は「意図してメーターを振り切って」盛り上げ役に徹しているのだということも改めて感じた。
「いかにしてMリーグ中継を良いものにするか」とい意識を日吉が大事にしていることが分かる、そんなこの日の実況であった。
一方の伊達は、この日がMリーグ初のソロ解説。
日吉のサポートに呼応して、試合中ごろからはエンジンが全開になった伊達は、
「超現物」「ホンイツのかけら」「めっちゃポン、からのめっちゃツモ」
などの楽しい言葉を用いつつ、盛り上げながら試合の様子を伝えていた。
解説が違うと、場を表現する際の言葉が変わるものだ。聞いていても新鮮さを感じるし、それぞれの味を楽しめるのがいいところであろう。
これからもプレイヤー解説をはじめ、色々なプロを解説者として起用してほしいと感じる。
そんな二人が、
『カンリャンピンのヤミテン(にするよね)!??』
と声をハモらせたのが、この牌姿についてである。
ここから試合へと入っていくが、東場は各々の個性を存分に発揮される展開となった。
まずは村上、このカン待ちの一通赤ドラテンパイを、
リーチに踏み切った!
周りの場況の良さ、そしてツモったときにハネマンになる打点上昇が理由だろう。
決め手は決め手として、最大限の破壊力を与えていく。
ここでの一通リーチは空振りした村上だが、東4局の親番でも先制リーチを放ち、
一発でツモアガリを決める! 親番での大量加点に成功だ。
対して、
堀慎吾は今宵も飄々と仕掛けていく。
東3局1本場は、とをポンした仕掛け。切り出しがどう見てもマンズのホンイツになっているのがニクい。
また、