【南1局】
堀のリーチを受けての園田の手牌がこちら。
もはや説明するまでもない。ドリブンズ名物、ワン副露バラバラ。カンを仕掛けてこの形。注目すべきは前々巡打としているところだろう。
この手牌、安全牌が尽きて放銃になることだけは絶対に避けたい。それならば自身で使いにくく、親の寿人に通っていないを先に切っておくことで、ホンイツ余らせを他家に意識させつつ安全牌を一枚でも多く抱えられるようになる。
かつを見てなお字牌をかぶせてくるような相手がいれば、そこに大物手が入っていると判断することができる、いわばどこの安全牌を持つべきかを測るソナーとしての役割を持った打なのだ。
リーチ後の対応とはリーチがかかってから考えるだけでなく、事前準備も大事だということがよくわかる一手だといえよう。
【南2局1本場】
瑞原のリーチを受けて、微差ながらトップ目にいる親の堀。
小考したが、このワンチャンスのは押した。
しかし次巡引いたでは……
ワンチャンスの、とはいかず、安牌を抜いて完全に降りに回った。
手牌に残っている待ちの部分の弱さから、もともと押す気は余りなかったということだろうか。
一方こちらは寿人の手牌。形作りを進めながらも、安全そうなところを選んで切っている。
ノータイムで今通った打ち。筋のすら切らなかった。
しかしこのツモり三暗刻の聴牌となった瞬間リーチ!あまりの緩急のつけ方に見ている視聴者が乗り物酔いしないか心配なくらいだ。
一発で瑞原から出アガリ。さすがにこのアガリ、この押し引きは寿人オリジナルと言わざるを得ないだろう。
【南4局】
寿人の本日6回目のリーチをうけての瑞原。
マンガンツモか5200出アガリでトップ。ここは勝負の形となる打。
ここは無筋二枚打ち前提の打とした。この巡目の寿人のリーチ、通ってない筋も多く、降りていてもアガられれば結構な確率で着順落ち、ハネマン放銃でなければ3着まで、自身の手はトップ条件を満たしそうな良形残りとここまで押す理由がそろっていれば致し方なしか。
これが寿人の8000のアガリとなり、この半荘はゲームセット。
実に大量のリーチ棒とアガリが飛び交ったこの半荘。押す理由、降りる理由と簡単なものから難しいものまで様々あって実に面白かったと思う。リーチ後対応が試合展開、ひいては着順に直結する麻雀の大事な要素の一つであることがうかがえただろう。自分ならどうする、その理由は、などと考えながらMリーグを見れば、さらにはそれを友達と共有し議論しながら見れば、よりMリーグを面白く見られること間違いないだろう。