ただ、他3者としてはせめて2着でこの試合を終えたいところ。
南3局3本場、多井がドラドラの手牌をじっくりと育て、三色のイーシャンテンに。
親番の瀬戸熊も苦しいところを引き入れて選択。
ここで瀬戸熊はを残した。
は3枚切れ、うち1枚は多井が序盤に切っており、ピンズの真ん中が見えていないということで危険牌になり得るを先に処理しようという考えか。
ただ、これは多井の切りはからリャンメンを固定した形だった。
そして直後に多井がリーチ、瀬戸熊が残したは高目三色のロン牌となってしまっている。
そして一発放銃。
リーチ一発三色ドラ3のハネ満で、多井が大きな2着目となった。
オーラスは内川がヤミテンからツモ切りリーチ。
残り2巡で鳴きが入っていない状況であれば、一発とハイテイ、2回打点アップの抽選を受けることができる。
普通はなかなかうまくいくものではないが、可能性はゼロではない。
ここは内川がハイテイでツモ。
2000-4000のアガリで素点回復をし、試合を終わらせた。
今週月曜・火曜の試合で、Mリーグの各チームはレギュラーシーズンの2/3となる60戦を消化する。
残り1/3となり、いよいよ1戦あたりの重みが増してくるタイミングだ。
その中では、時として苦悩に歪む、あるいは喜びがにじむ選手の表情というのも見られるだろう。
そうしたシーンも、麻雀放送を楽しむ上での重要なポイントの一つ。
打牌選択だけでなく、ぜひそうした場面も見逃さずにチェックしていただきたい。
そしてもし可能なのであれば、ぜひ麻雀店でリアルな麻雀を打ってもらえればとも思う。
新型コロナウイルス感染症の影響で人と接することがためらわれる現状ではあるが、マスク着用や消毒などを徹底しながら営業している雀荘も多い。
そしてお店や麻雀を愛する人々は、各自が感染防止対策をとりながら麻雀を打ち、勝ち負けに一喜一憂している。
いかに麻雀を打ちたくても、お店がなければリアル麻雀を楽しむのは難しい。
そして現在、麻雀を打つ場を提供する雀荘が窮地に陥っているのも事実である。
雀荘でMリーガーをイメージしながら実際の麻雀を打つことで、Mリーグの選手たちが見せる「間」や「表情」も、さらに楽しめるようになるはずだ。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。