「俺たちの間には、卓と麻雀牌しかなかったよな」 盟友・前原との息詰まる熱戦を、沢崎誠はどう切り抜けたのか【Mリーグ2020観戦記3/2】担当記者:ZERO

「俺らの間には常に卓と…無機質な麻雀牌があったよな」

さらにをツモってくる沢崎。

チーに続き、発をポンしている前原の危険牌だ。
さらに他にもドラが浮いている。

沢崎は一息ついた。

「俺らの間にあるものはずっと変わらない」
「だけど後ろに見えるものは大きく変わったよな」

沢崎は力強く

を切った。

そのを前原がチーして応戦!

 

「沢崎さん、たしかに麻雀しかなかった私達を、こんなに応援してくれる人がいることは、幸せ以外の何物でもないです」

「いつまでもこの舞台に立っているとは思えない。だからこそ私は今、全力を尽くしたいんです」

こうして沢崎は

カンをツモって理想のテンパイにたどり着いた。

ドラのはどの方向から見ても危険牌だが、沢崎に迷いはなかった。

「リーチ!」

「当たりか?前ちゃん」

「…通ります」

すぐにテンパイの入った和久津からがこぼれて決着した。

メンタンピン一発ドラドラの12000!

こうして沢崎がトップを決めた…

かのようにみえた。

南4局

まずは和久津が素点回復を狙うリーチを打つ。

789の三色であるカン待ち。

出たリーチ棒を見て、色めきだったのが瀬戸熊だ。

瀬戸熊はこのリーチ棒によってマンガンツモでトップになるのだ。

その瀬戸熊に注文通りのメンピンドラドラが入る!当然の追っかけリーチ!

2軒リーチを受けた前原の手牌。↓

前原はハネツモでトップになる。ただし浮いているは2人に危険牌だ。

さらに瀬戸熊が和久津に放銃すれば2着を拾うことができるかもしれない。

薄いハネツモを目指して我が道を突き進んでよいものか…

前原は迷った。

そして

を切った。

たしかに瀬戸熊が和久津に放銃すれば2着になるが、その現象は1/4でしか起こらない。
(ざっくりとした計算になるが、2人の待ちが五分として、瀬戸熊ツモ・ロン 和久津ツモ・ロンの4通りのパターンがあるので)

それならば自分で運命をこじ開けようと突き進んだのだ。

2巡後、さらに前原を困らせるツモがくる。

だ。

「沢崎さん、やっぱり麻雀は思ったようにいかないですね。だからこそ…どれだけ打っても…」

「面白いですね」

前原は牌を横に曲げた。

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