俺はこの舞台であなたに勝つ 松ヶ瀬隆弥、多井隆晴との戦いの序章【Mリーグ2021観戦記10/14】担当記者:東川亮

二人の声が重なった。しかし、Mリーグにダブロンはない。上家優先、手牌を開いたのは松ヶ瀬だった。

 

これで松ヶ瀬は自身3連勝、首位に立つチームを牽引する活躍だ。試合後のインタビューでは多井との対戦について振られ、「まだまだ何回もやっていくと思うが、とりあえず今日は僕の勝ち。この後も勝ち続けられるようにやっていきたい」と語った。

 


一方の多井だが、苦しかった初戦に引き続き、この試合も厳しい展開が多かった。後手に回ることが多く、勝負手もなかなか実らない。象徴的だったのが南1局1本場、先制の【6マン】【9マン】待ちリーチが決まらなかったことだ。リーチ時点で山に6枚、寿人の追っかけリーチを受けた段階でも残り枚数は5対1で多井が圧倒的に有利だったが、残り1枚を寿人にツモられて失点し、親落ち。自身は満貫やハネ満が見える大物手だっただけに、さすがに厳しいものがあった。


ただ、そんな苦しい2戦でも、多井は自らの技術でラスを回避している。この試合の南4局では、4番手ながら自身のアガリは厳しいと見るや守備にまわり、満貫がほしい松ヶ瀬が寿人から条件クリアの直撃を取る」という薄い条件が成されたことで、3着に浮上して試合を終えた。麻雀はどんな強者でも絶対に勝てるわけではないゲームだが、その中で多井は「負けない」技術を知っている。もちろん勝ち方も知っているだけに、一つかみ合えば一気に成績を伸ばしてくるだろう。それは松ヶ瀬が一番よく分かっているはずだ。

話を冒頭のインタビューに戻す。松ヶ瀬はRMUでプロキャリアをスタートさせた「生え抜き」である。そして自身の後に続くRMUの若手たちに、道や可能性を示したいとも話していた。松ヶ瀬がMリーグで多井と激闘を繰り広げることは、そのまま自身の言葉を体現することにつながるだろう。


松ヶ瀬対多井、二人の戦いはまだ始まったばかりだ。

 

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀戦術シリーズ新刊/