熱論!Mリーグ【Thu】
確率の向こう側に
あった復活劇!
ロマン溢れる萩原聖人劇場
文・真中彰司【木曜担当ライター】2019年11月7日

この日の1戦目は、2時間超えのロングゲームとなった。試合は風林火山・滝沢と雷電・瀬戸熊の激しい殴り合いを瀬戸熊が制し、見事に個人3連勝を飾る。
恒例の「RMOポーズ」を決めてご満悦の暴君。

連投も有り得る場面だったが、ロングゲームだったこともあり雷電は選手交代。
バトンを受け取って登場したのは、気合十分の萩原聖人だ。

昨季はなかなかポイントを伸ばせず苦しんだが、今季は安定した闘いぶりを見せている。
首位を走るサクラナイツを追い越せるか?
東1局

早速の親番、ラス牌のを引き入れ、
–
の3面張待ちでリーチ。
手数の少ない萩原にとって、貴重な先制のチャンスだったが…

既に索子のホンイツでテンパイしていた滝沢から、強烈な反撃を喰らう。
萩原の待ちをすり抜けるように、ピンズの無筋をと押される。

枚数では萩原の方が多かったが、ここは滝沢に軍配が上がる。
先制チャンスのはずが、手痛い親被りとなってしまった。
東3局

続く東3局、整った手牌になってきたところでと
を入れ替える。
が2枚切れていることが影響したのだろうか。
単純なタンヤオよりも、一盃口や万が一の対子手を意識した一打だ。
これには視聴者からも賛否両論。

萩原は少ない手数を打点で補うタイプの選手だが、この日は相手と状況が悪すぎる。
ドリブンズ・園田が既に仕掛けを入れている。
萩原も手牌は良いため、スピードを合わせるべき局面なのだ。
一盃口は不確定で、チートイツはテンパイ速度が遅くなりがちだ。
わざわざ受け入れを狭めてまで狙うものではない。
ここでを切るのは、Mリーガーの中でも萩原だけだろう。

その後、を引いて
を切り、両面を固定するが…

次巡のツモはなんと。完全に裏目に出てしまう。
素直に打っていれば、ここでのテンパイが入っていたはずだ。

「違う、そうじゃない」
さすがの萩原もこのツモには苦悶の表情。

その後を引いて一盃口への変化はあったが、ドラの
を引いてブレーキ。
園田の仕掛けには非常に打ちにくい牌だ。

打でチートイツに方向転換するも、チートイツには不要な3枚目の
で小林に放銃。
こうなると萩原にとっては厳しい。
手数の少なさが災いし、放銃の失点を取り返すチャンスが少ないからだ。
正直な話、「負けパターン」にハマっていると思った。
南2局1本場

そうして萩原ラス目のまま迎えた、南2局1本場。
いきなりから打ち出し、両面を拒否する。

またも視聴者を困惑させるが、すぐにをツモって事なきを得る。