リーチ総数22回の「ドツキ合い」を制したのは…麻雀モンスター瀬戸熊直樹!【熱論!Mリーグ】担当記者:東川亮




熱論!Mリーグ【Thu】

リーチ総数22回の

「ドツキ合い」を制したのは

麻雀モンスター瀬戸熊直樹!

文・東川亮【木曜担当ライター】2019年11月7日

11月7日。この日はボクシングの「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」バンタム級決勝戦となる「井上尚弥vsノニト・ドネア」戦が行われた。共に世界最高峰の実力を持つ2人の対戦、特に井上選手は無敗の3階級王者ということで、ボクシングファンならずとも注目していた人が多かっただろう。

そんな日でも「大和証券Mリーグ」を見ていたという方は、間違いなく相当な麻雀ファンだろう。そしてこの日の第1回戦では、ファンのみなさんの期待を裏切らない、ボクシングさながらの激しい攻撃の応酬が繰り広げられた。

第1回戦

東家:村上淳(赤坂ドリブンズ)

南家:滝沢和典(EX風林火山)

西家:瀬戸熊直樹(TEAM RAIDEN / 雷電)

北家:石橋伸洋(U-NEXT Pirates)

ボクシングは人間の原始的な闘争である殴り合いをスポーツとして昇華させた競技であり、そこでは相手を倒す強烈なパンチだけでなく、相手の動きを読んでの駆け引きや守備など、思考力や観察力、対応力も求められる。

攻撃に守備、そこに至る思考や相手への対応。それらが必要なのは麻雀も一緒。特に南場では、そんなボクシングのような駆け引きや攻撃が随所に見られた。

南1局1本場、この局の先手を取ったのは石橋。カンチャン2つ残りのイーシャンテンから、ドラのを引き入れてカンリーチを打った。当たれば満貫以上が確定するビッグパンチだ。

このリーチに対し、現物、中スジと切り出して放銃を避けていく瀬戸熊。しかし、ただ逃げ回っているわけではない。急所のカンを引き入れ・・・

タンピン赤ドラ、高め三色のテンパイに!

そして石橋がをつかむ!

瀬戸熊が踏み込んできた石橋に鮮やかなカウンターのハネ満をお見舞いした。

続く南2局、ここで一気にラッシュをかけてきたのが親番の滝沢。

まずは待ちの先制リーチをきっちりツモって満貫。

さらに次局、ドラ含みのホンイツで高打点が見えるチャンス手が!

自風のを鳴き、ドラまたぎのテンパイとなったところで、滝沢はドラのを引く。

ここで滝沢はツモ切りではなく、手からを打ち出した。通常、ターツからの手出しはその周辺の牌が警戒されるということであまりよくないとされているが、滝沢は、を引き入れたタイミングでを手出ししている。そこからさらにを手出しし、ドラターツを払った形にすることで、打点や待ちなどの読みを多少ぼかす効果を狙ったようだ。ボクシングで言えば、フェイクのパンチを混ぜて相手を惑わそうとした、というところか。

この切り出しに翻弄された形になってしまったのが瀬戸熊。形的にはここで打なら3メンチャンと三色の形が残せるが、選んだのは

 

次巡にを引き入れて三色確定のカンリーチを打ったが、真っすぐ打っていれば待ちリーチのはずだった。そして一発ツモだったはずのは、滝沢のロン牌。

瀬戸熊自身がひどく悔やんだ12000は12300の放銃。いわゆる「効いた」パンチを食らってしまった形となり、瀬戸熊は天を仰いだ。

 

しかし、ここでしっかりと立て直してくるのが瀬戸熊だ。南2局3本場、4巡目にペンのテンパイを取らず、次巡に待ちのリャンメンでリーチ!

不安定な形から攻撃をするのではなく、しっかりと力の入る体勢を整えて確実性を高めて攻撃を仕掛ける。この辺はボクシングも麻雀も同じところがあるように感じる。瀬戸熊は時間こそかかりながらもツモアガって満貫の収入を得、追撃態勢に入った。

南3局1本場。親の瀬戸熊はドラターツを引き入れて面子を作り、この形で選択。

切ったのはドラの。4連形から切るなら打でドラを手の内で使いたいところだったが、瀬戸熊曰く「石橋さんにアガらせないよう、万全を期して切りでアガリを最優先にした」

とのこと。

まさしく、打なら石橋が鳴いてテンパイを入れる形だった。

ボクシング同様、麻雀でも相手との間合い、距離感が非常に大事だ。そこを見切った瀬戸熊が村上の3メンチャンリーチにのシャンポンリーチで追っかけ、石橋から一発でを打ち取り、7700は8000の加点。紙一重の選択がもたらした一撃だ。

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