繊細に手組み、苛烈なまでに押す 鈴木優の戦闘スタイルは 海賊船を導く旗印となるか【Mリーグ2022-23観戦記2/17】担当記者:後藤哲冶

繊細に手組み
苛烈なまでに押す
鈴木優の戦闘スタイルは
海賊船を導く旗印となるか

文・後藤哲冶【金曜担当ライター】2023年2月17日

2月18日第2試合

東家 鈴木優  (U-NEXT Pirates
南家 松本吉弘 (渋谷ABEMAS
西家 東城りお (セガサミーフェニックス
北家 堀慎吾  (KADOKAWAサクラナイツ

第2試合は東場から手がぶつかりあう展開が続いた。

東1局タンヤオ赤赤でリーチした東城と、副露で12000のテンパイを入れていた優がぶつかるも、どちらの手も実ることはなく流局。

続く1本場も、リーチの松本とダブ東を鳴いた優がぶつかり、これも流局。
東1局2本場へ。

最初のテンパイは堀。【5ピン】単騎のチートイツをダマに。

そして【中】を暗刻にしたところで、全く時間を使わずに堀は【6マン】切り。
チートイツテンパイを崩しイーシャンテンへ。
チートイツの良い待ちを探すよりも、この手はメンツ手にした方がアガリが近そうに見えたのだろう。
ゴールはテンパイではなく、アガリだ。チートイツは必ず待ちが単騎になってしまうが、こうしておけば東を鳴いてもマンガンで、最終形は必ずリャンメン以上になる。

堀の手がなかなか進まない中、松本が先制テンパイ。元々手に魅力が少なく、控えめな進行を取っていた松本だったが、【白】でアガれる役牌バックのテンパイにたどりついた。本場供託があり、アガリの価値が大きい。苦しい手牌を安全度を保ちながら進めたのは流石松本のベストバランスといったところか。

これをイーシャンテンだった東城からすぐに捉えて1000点のアガリ。
ここまでは手がぶつかりあいながらもロースコアの展開だったが、ここから1人が大きく抜ける。

東城だ。
直近3連勝中の絶好調娘は今日もエンジン全開。
東2局に副露でテンパイ濃厚に見える優と松本に踏み込んで2000、4000を手にすれば。

持ってきた親番であっさりと4000オール。
ここ最近の好調ぶりは見ていて気持ちの良いものがある。

これは少し戻って東1局の1本場でのシーンだが、東城はこの手から【白】【西】と打ち出している。
なんとなく【8マン】あたりを切り出して安全に字牌を持っておきたくなる気持ちも出そうな手牌だが、【9ソウ】が親と南家の松本に通っており安全がある程度担保されていると見れば、迷いなく目一杯に受ける姿勢。
手牌にまっすぐ麻雀を打てるのが、東城の好調の理由の一端なのではないだろうか。

結局、東城はこの4000オールの後も2回アガリを手にして、リードを広げることに成功。
東3局3本場へ。

このまま黙って東城に点棒を重ねられるわけにはいかない堀と優が、仕掛けで前に出ている中、松本がこの【7マン】を引いて少考に入る。
対面の堀は【東】【4ピン】をポンしている。

松本の選択はソーズのターツ外し。
比較的安全なソーズを切りながら、高い手に手が伸びた時は前に出るバランス。

東城から【北】が出て、これをポン。
この後ドラの【6マン】を引き入れて――

【9マン】でフィニッシュ。
相手との距離感の取り方が非常に上手い松本らしいアガリとなった。

東4局。親番を迎えた堀が仕掛ける。まずは【發】のポン。

その数巡後、堀の下家に座る優も仕掛けた。【4マン】のポンから発進は、手の内にドラの【白】を従えた勝負手。
ホンイツ【南】白南ドラ3まで行けば跳満だ。

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