やるっきゃない!
気合と期待値の
狭間で揺れる園田賢
5年目の覚醒
文・ZERO/沖中祐也【火曜担当ライター】2022年 10月 4日
プロローグ
街が秋の香りに包まれたと思ったら、ここ数日の外気はサウナか!というほどには暑い。
ただ、私たちは知っている。ここから急激に日本は冷気に包まれていくこと。そしてその気温に反比例するように麻雀界がアツくなるということを。
一度きりのMリーグ2022シーズンが開幕
それにしても今年は訃報が多かったように感じた。
誰かの不幸が届くたびに「時間が戻らない」という当たり前の事実を確認する。
Mリーグは5年目になるが、おそらく来年も再来年も続いていくだろう。
しかし5年目のシーズンは一度きりであり、二度と戻ってはこない。
動き出した歯車は最後まで回り続ける。
当たり前じゃない、最初で最後の5年目のシーズンが始まる。
第1試合
東家:二階堂瑠美(EX風林火山)
南家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)
西家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
北家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
中でも「一度きり」という冷酷さを強く感じているのは、風林火山とドリブンズだろう。
この2チームと昨日対局のあった雷電は、ファイナルに残れないとメンバーを入れ替えなくてはならないというルールに抵触する。
異変を感じる園田
「あれ… 例年と違うな」
崖っぷちの1チームである、ドリブンズ・園田はそう感じたという。
東1局
イーシャンテンからそっとドラのを切ると、上家の岡田がポン。
ポンして出てきた牌が
の対子落とし! これは強烈! 形の良いイーシャンテンからテンパイまであるといったところか。
「これは大体オリることになりそうやな…」
そう思いながらツモってきた牌が
唯一強く押し返せるツモ、2度受けの超ネック!
園田は力強くリーチを宣言する。
このリーチに対し、当然岡田は押し返すわけだが…
! !と、それにしても強すぎる押し返しを放つ!
園田は察したという。
「なるほど… パターンAか。ここであたりを持ってきてマンガンを放銃。その後脇の2人がツモアガリを繰り返し、自分は形式テンパイと1300オールくらいアガれてラスを引くというありふれた風景や。」
始まったばかりというのに、未来予想が半端ない。
「持ってきたらどうしたろ。タイトなジーンズにでもねじ込んだろか。」
そう思いながらツモった牌が
!
裏ドラこそ乗らないものの岡田の手を潰す価値の高い10002000となった。
東2局は
この豊潤な手牌から234の三色を残してを切り、2枚目のもポンせずに門前リーチ態勢に構える。