勢いは止めさせない──
茅森早香の圧勝劇
文・坪川義昭【金曜担当ライター】2025年12月19日
▲500pオーバーで最下位だったセガサミーフェニックスが、奇跡の大復活を遂げて地上に舞い降りた。
『麻雀は何があるかわからない。』
なんて言葉は、勝敗が決まった時に気休めとして使われるようなものと思っていたが、どうやらそんなことはないらしい。
何年もの間、欠かさずMリーグの試合は観てきたのだが、チームポイントが▲500pを超えた時に今年のセガサミーフェニックスは厳しいんだろうなと思った。
昨シーズンが恵まれていただけに、反動というものがあるなら、それが来てしまっている。
幸せな時間だけが続くゲームではないのだから、しょうがない。
こんな苦しい展開になってしまっているチームが、生き残る姿はほとんど見たことがないのだから。
しかし、気が付けばセガサミーフェニックスはカットラインを遥かに超えて、4位に辿り着いている。
本当に予想の付かない不思議なゲームである。
その原動力になっている選手兼任監督の茅森が、本日も登板となった。
昨日も79,600点の特大トップをチームに持ち帰り、勢いという点ではチーム内でもナンバーワンの存在だ。
第2試合
東家:二階堂亜樹(EX風林火山)
南家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
西家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
北家:鈴木大介(BEAST X)
東1局
今シーズン未だに初勝利がお預けになっている、たろうがドラ雀頭で高目三色の超勝負手リーチを放つ。
1戦目でトップを取り、勢いそのままに連投となった大介がすかさず追っかけリーチと出た。
共通安牌がない茅森は、片方の現物を頼りにイーシャンテンを維持するが、気の進まない勝負である。
この入り目なら勝負にいきやすい。
三本目のリーチ棒を放り、指先が熱くなるような捲り合いが始まった。
大介がたろうの高目である
を掴んで12,000点の放銃。
ここから凄まじい打撃戦が開幕する。
東3局
まずは、北家の茅森が待ちも打点も十分な先制リーチを放つ。
親番のたろうもトップ目から
を叩いて応戦する。
簡単に親番を手放す気は毛頭ない。
絶好の
をアンコにした大介がリーチを宣言するが、
に茅森から声がかかる。
そっと裏ドラを捲ると、僥倖の裏々で12,000点。
茅森の代名詞である一日一ハネである。
早くも大介の箱が割れてしまった。
南1局
親番を迎えた亜樹が
を引き入れて、メンホンのイーシャンテン。
この形になったならば、
のポンテンはかけずともテンパイが入りそうである。
南家の茅森が
を仕掛けて前に出た。
手牌は、まだバラバラだが一つ役牌が重なりさえすれば景色は変わる。















