あの夜を乗り越えて──
瑞原明奈、大暴れの105分間
文・虫かご【金曜担当ライター】2025年12月19日
真冬のMリーグ戦線
Mリーグレギュラーシーズン56日目。年内の試合数も少なくなる中、各チームの競り合いはますます熾烈になっている。
特に注目が集まるのが、ボーダーライン付近の攻防だ。この日のLIVEチャンネルにも、敗退ゾーンからの脱出を狙う3チームが出場した。
第1試合
東家:石井一馬(EARTH JETS)
南家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
西家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)
一馬、瑞原、松本は前回の登板でラスをひいている。特に瑞原は、オーラスで痛恨の12,000を放銃し、トップからラスまで引きずり下ろされた。嫌な記憶は早めに乗り越えたいところだ。
その一打、-92,000点につき。瑞原のMリーグ史上「一番ショック」な放銃。【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 12/12 第1試合(麻雀LIVEチャンネル)】担当記者 虫かご
工夫を凝らした2つの和了
そんな瑞原に技ありの和了が生まれたのは、東2局だった。
東1局で一馬に連続和了が生まれた中、3本場で1000-2000の和了を決めて自身の親を迎えた瑞原。ドラの
もある好配牌を手にし、第一打からダブ
を切り出していく。
自身3枚目の
を持ってきた場面。ここで瑞原の手が止まる。すでに場に2枚切られているカン
ターツを払い、
やほかの部分からの伸びに期待するか…… と思いきや、
瑞原は
切りを選択した。「カン
よし」の意思表示だ。すでに2枚切っている寿人はもちろん、一馬、松本も早い巡目で
を切っており、確かに山に残っていそうではある。とはいえ、あるとしても最大で2枚。なかなか勇気がいる選択である。
すると、2巡後。瑞原が狙い通りにズバっと引き入れたのは
だった。
を切って、![]()
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待ちでリーチとした。
これを
でツモり、4000オールの和了となった。解説に訪れた魚谷侑未プロも「なかなか踏めない手順」と称賛した。
さらに、南1局1本場でも工夫を凝らした和了が生まれる。
一馬と瑞原が突き抜けて、箱下に沈んだ寿人との上下差が大きくなってきた局面。微差ながら一馬がトップ目に立っている。瑞原は、3巡目にトイツが5組完成。打
とし、チートイツに振り切った進行とした。
面白い選択となったのが次巡だ。
を引き入れた場面。字牌や端によった数牌が待ちに有効とされるチートイツでは、中張牌の
ツモ切りなどが選ばれそうだが、手から
を打った。
この意図について、解説の魚谷が「
を残すことで、チートイツをケアされると思ったのかもしれないですね」とつぶやいた。確かに、
などの「横伸びに強い中張牌」が簡単にツモ切られると、周囲はその河からチートイツの匂いを感じ取りそうだ。しかも、瑞原にとってのダブ
は、放銃打点の高さ故に出和了があまり期待できない。最終的な待ち牌には向かない
を先に処理したのもうなずける。
すると、ほどなく
を引き入れて、
単騎でリーチとした。
瑞原のリーチを受けて、松本が打った現物の
に反応したのが一馬だ。
カン
で鳴き、タンヤオへ向かい打
となった。
3200は3500の和了。ライバル一馬の親を直撃で終わらせる、点数以上に大きな和了となった。試合後に一馬は、「チートイツの可能性もあるがわからなかった」と振り返った。山ゼロのリーチながらも、意図的に作り出した河が功を奏し、見事に引っ張り出した。
勝負所でも、踏み込んで勝つ。
局面は、2着目の一馬と10,000点差をつけて迎えた南3局に移る。
テンパイ一番乗りは瑞原。トップ目につきリーチ判断に迷うが、少し間を置いて![]()
待ちのリーチに踏み切った。
しかし、周囲も独走に待ったをかける。苦しい展開が続いていた寿人も、![]()
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の5メンチャンでリーチ、
さらには、絶好のカン
を引き入れた松本も、![]()
待ち高目三色のリーチをかける。同巡で3人が連続してリーチ。瑞原にとって、最終コーナーで最大の山場に突入した。
待ち枚数では寿人に劣るものの、瑞原はここでもツモアガリを決めた。
1300-2600の和了で、勝負あり。オーラスも自身のツモアガリで試合を終わらせ、自身7勝目を獲得した。
終わってみれば、リーチ7回・和了7回。卓トラブルもあり、休憩も含めて105分にわたったロングゲームで、瑞原は常に対局に関わり、大暴れを見せた。















