「園田は腰が軽いとか言われがちだけど、最高位戦ではバリバリの打点派なんやで。というかこの手牌でポンしてたら勝つ気あるんか?っちゅー話ですわ」
松本の仕掛けに合わせるように、をチーすると…
タンヤオ・三色・ドラ・赤の8000のアガリ。
「あれ… これもアガれるのか」
あまりの幸先の良さに、逆に不安を募らせていく園田。
東3局も軽快に仕掛け…
1000点のアガリ。
開局から3連続でアガって親を持ってきた。
Mリーグの舞台では慢性的に調子がイマイチで、例年初トップが遅い園田。
あまりの調子の良さにどんどん疑心暗鬼になっていく。
一番異変を感じたのが東4局だという。
苦しい配牌から2枚目のもスルーし、チートイツを狙いながら大体オリの構えでいた場面、岡田が力強くリーチ宣言をする。
ドラ3の待ち。山には6枚いる。
もちろん園田から岡田の手牌は見えていないが、こう察したという。
「なるほど、パターンBか。まずはオカピーに30006000とか言われて、次に松あたりに4000オールを食らう。でもパターンBなら運が良ければ微差の3着くらいは拾えるかな」
岡田がリーチといった時点でここまで思考を巡らせるまで0.2秒。
東京大学物語か。
しかし
「ロン、1300」
岡田のリーチ宣言牌は松本のダマテンにつかまった。
一瞬何が起こったかわからなくなる園田。
「えっ? いいの? 俺の親が無傷で終わるなんてことあるん?」
「オカピーにリーチと言われた時点で平均マイナス3000点くらいの期待収支のところ、0点で済むなんてこんな幸せなことないよ」
この横移動に、例年と違うただならぬツキを感じたという園田。
それもそのはず園田は初年度こそ活躍したものの、それ以降はずっと苦しい展開にあえいできた。
そして不名誉ながら「なんなん?」は園田の代名詞となった。
それを見かねてか、今年のドリブンズのテーマは「期待値を超えた気合でやるっきゃない!」だという。
期待値を超えた気合… もはや何を言っているのかわからない。
南1局は岡田が
リーチ・ツモ・ピンフの7001300をツモ。
「いやいやいやいやいや。こんなに安くていいの? おかしいおかしい」
初めての展開にうろたえる園田。
南2局は園田が
このをツモ切り。
役牌は重なると嬉しい、はイッツーの種、それならばを切っての危険なタンヤオよりもを切ってのピンフがいい。
いずれにせよこの点棒状況ではなるべくリーチは避けたい。
このツモ切りがうまくいって…
終盤にピンフのみの1000点のアガリ。
かつてなく順調な道のりを行く園田。
しかし、ここからの2局に罠が潜んでいた。
南3局、2着目岡田の親番。
ここさえ落とせばトップはほぼ手中に収まるだろう。
そんな園田の配牌がこちら。↓