信じ続けた先に
静かに掴んだ復活の一勝
文・宮水さくら【木曜担当ライター】2025年12月18日
KADOKAWAサクラナイツに、ようやく光が差し込み始めている。
前回の対局では岡田紗佳、そして渋川難波の登板で連勝を飾り、チームは長く沈んでいた最下位から脱出。重苦しかった空気が少しずつ和らぎ、「まだ戦える」という手応えを取り戻しつつある。
そんな流れの中で迎えたこの一戦。
今回の対局の主役として卓に座るのは、阿久津翔太だ。
今季の阿久津は、決して楽な戦いをしてきたわけではない。
前回登板では、悔しい箱下のラス。結果がついてこない そんな歯がゆい時間が続いてきた。開幕戦以来、なかなか抜け出せない“長いトンネル”の中にいる選手の一人でもある。
しかし、チームは今、確かに前を向き始めている。
岡田、渋川が作った流れを、ここで繋げることができるのか。
そして阿久津自身、このタイミングで結果を残し、個人としてもサクラナイツとしても反転攻勢の一手を打ち、チームの勢いを本物にできるのか。
静かだが、確かな緊張感をまとって、対局は幕を開けた。
第1試合
東家:日向藍子(渋谷ABEMAS)
南家:竹内元太(セガサミーフェニックス)
西家:石井一馬(EARTH JETS)
北家:阿久津翔太(KADOKAWAサクラナイツ)
東1局
一馬から、![]()
待ちの先制リーチが入る。
その数巡後、元太も![]()
待ちで追いつき、いきなりの二軒リーチ。
結果は元太が、
を一発でツモリ、リーチ一発ツモタンヤオの2000−4000のアガリを決める。
フェニックスは前回対局の月曜日、醍醐大が連投連勝を決め、チームのマイナスを大きく取り戻してきたばかり。
サクラナイツ同様、再び勢いを取り戻しつつあるチームが、東1局から一発ツモの満貫で存在感を示した形だ。
一方、阿久津にとっては、やや不穏な立ち上がり。
いきなり放たれた強烈な一撃に、卓上にはわずかながら暗い影が差し込む。
勢いに乗るフェニックスと、浮上のきっかけを掴みたいサクラナイツ。
立ち上がりから、勢いのある二つのチームが真正面からぶつかり合う構図がはっきりと描かれた。
東3局
日向がカン
を引き、![]()
待ちで先制リーチ。

前巡に入った元太のカン
チーによって、阿久津の欲しかった
が日向に流れてしまった形だ。
少し不穏な空気が流れるが![]()
、![]()
のリャンメンリャンメンのイーシャンテンの阿久津も攻める手牌だろう。
その後阿久津が
を引き、![]()
待ちで追っかけリーチを放つ。

リーチ一発平和赤1ドラ1に裏が1枚乗り、ハネマンの12000のアガリに。
絶好の加点に成功し、阿久津にも勢いが出てきた。
東4局
阿久津の親番がまわってきた。
を引き、![]()
待ちで先制リーチ。

2軒リーチ時に、阿久津の欲しい![]()
が山に3枚、一馬の欲しい![]()
が4枚と阿久津にとっては少々不利捲り合いになっている。
結果は、2人テンパイの流局。
2人合わせて5枚のアガリ牌はワン牌に固められた。

阿久津としては、親番でもう一押しを決めたい局面だっただけに、悔しい流局か。
東4局1本場
阿久津は
から引き入れ、![]()
![]()
待ちで先制リーチ。



















