熱論!Mリーグ【Thu】
笑顔を浮かべた小林剛、
苦渋に満ちた表情の勝又健志
そしてレギュラーシーズンは
運命のラスト10戦へ
文・東川亮【木曜担当ライター】2020年2月20日
2/20、「大和証券Mリーグ」2019レギュラーシーズン開催80日目、第1回戦、南1局。
二階堂亜樹の手は、震えていた。
所属するEX風林火山は、7位からも大きくポイントを離されての最下位。
残り試合が少なくなってきた今、多くの試合でトップを取らなければいけないという状況である。
しかしこの試合も藤崎智(KONAMI麻雀格闘倶楽部)に大物手をツモられ、抜け出されてしまった。
そして迎えた最後の親番、亜樹の手には打点が見える材料があったが、道中の選択が結果的に裏目となり、アガリを取ることはできなかった。
南1局、もし待ちを変えなかったら。
南4局、もしチーではなくポンをしていたら。
亜樹、痛恨の4着。
いよいよ、風林火山は苦しくなった。
第2回戦に登場したのは勝又健志。
ミッションはトップ取り、そしてできることならば、この日の相手で最も順位が近いU-NEXT Piratesを4着に沈め、自分たちとのセミファイナル進出争いに引きずり込みたい。
第2回戦
東家:前原雄大(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:小林剛(U-NEXT Pirates)
東1局、勝又はいきなり出鼻をくじかれることとなる。
パイレーツ・小林がハネ満ツモ。
配牌からドラが暗刻、赤も引き入れた大物手を、鳴きを多用する小林が門前で仕上げた。
小林自身も、この一戦の重みを嫌というほど理解しているはず。
そこで訪れた僥倖に、「ロボ」「サイボーグ」と称され、役満放銃にすら表情を変えない男が、ニヤリと笑ったように見えた。
ただでさえ守備意識の高い小林がいきなりリードを作れば、点棒を剥ぎ取るのは至難の業だ。
しかし、だからと言って引き下がるわけにはいかない。
東3局、勝又は早い段階で好形のイーシャンテンを手にすると、少々時間はかかったものの、きっちりリーチに踏み込む。
これを一発ツモ。
まずは目標の一つであるトップ目に立った。
しかし東4局2本場、小林は先制リーチの前原にタンピン赤赤の手で追っかけリーチをぶつけ、一発で仕留めて12000は12600の出アガリ。
小林が再度大きく抜け出す。
この日の小林には、好形、あるいは赤やドラを含んだ高打点の手がよく入った。
南1局3本場では、役牌を鳴いて三メンチャンの待ちをツモアガリ。
そして南2局1本場、親番ではこの大チャンス手。
満貫以上が容易に見える手材料の中、先に前原のリーチがかかるが・・・
小林は、どこまでも冷静で、間違えない。