ネット麻雀天鳳位は
当然リアルでも強い
本誌連載の「実戦によく出る100の基本」のライター福地誠さんにお願いして、天鳳位のリアル対局を企画して貰いました。
福地誠さんは第6期天鳳名人位でもあるので、企画のホストとしてはまさに適任です。
これまでもyoutubeに「麻雀たぬサロン」として、元白夜書房の末井昭編集局長にホストをしてもらい、その動画をUPしています。
末井さんのシリーズは、漫画家の西原理恵子さんや、新潮社の出版部部長でコメンテーターでもある中瀬ゆかりさんなど、お気楽なメンツとわいわいガヤガヤやってます。
福地誠さんには、新たなシリーズを何回かやって貰い、オンライン麻雀の最高レベルの実戦と思考を紹介していきます。
私もたぬの日常のように、代走気味に時々参加します。
私はかつて出版社の依頼でハンゲームを数千回やって、たぶん上から2番目の称号まで行きましたが、天鳳では下位の段位のまま敗退しました。
どちらも課金無しでやってて、ハンゲームでは「白シャツの貧乏人」と蔑まれることもあり、豪華なアバターのユーザからは同卓拒否されることもしばしば。
その時に貯金したゲームマネー三億円は、ゲームから遠ざかっている時に没収。
ビットコインに替えて欲しかったわー。
そういう意味では私は参加する資格が無いんですが、麻雀はそれでもじゅうぶん楽しめるのが素晴らしいところ。
新シリーズの見どころは、1局ごとにその場ですぐやる感想戦。
対局シーンよりも感想戦のほうが長いのもあります。
最初に登場して頂いたのは、三代目天鳳位の独歩さんと、第四代天鳳位の すずめクレイジーさん。
ご本人によると独歩さんは
「天鳳をやるまで降りたことがなかった」
すずめクレイジーさんのTwitterでの自己紹介は
「手役重視、追い込み守備型」
とのこと。
天鳳ファンなら私よりも良くご存じだと思います。
それともう一人は最高位戦の村上淳プロ。たぬ創業時の学生アルバイトクルーで、プロになった今もレギュラーゲストとしてお招きしております。
1回戦目はホストの福地先生が遅刻したので私が入りました。
後から来た福地さんは、私の後ろ見で局後の解説も。
「山崎さんは、2シャンテンを4ブロックにせず5ブロックにした。らしくない昭和打法だった」
2半チャン目から福地さんが入り、本来の対局を残り3回。
しかし、村上プロは他にも収録の予定があり、3回戦目か4回戦目で私と交代の予定です。
この4人は私が後ろ見をさせて貰い、対局はもちろん感想戦もすばらしかった。
昔から巷で言われてたことですが
「麻雀上達の近道は自前の麻雀牌を持つことと、上級者の後ろ見」
自前の牌というのは、毎日牌に馴染み自分なりの実戦を多く積むこと。
後ろ見はベテランの思考回路を推測すること。
できれば後で、推測が正しいかったかどうかを本人に聞いてみるといい。
私も若いころに後ろ見させて貰って勉強になりました。
麻雀牌は持ってなかったものの、毎日雀荘の事務所で寝泊まりしてたくらいなので持ってるのと同じ。
倉庫にビール箱を並べて、その上にべニア板を敷いてベッド代わりってのもあった。
そこに女性を引っ張り込もうとしたのは、今でも詫びたいくらいです。
そのころの私はパチンコ店で雀球というゲームを担当していたので、チンイツを完全にマスターしているのが強みで、それも多少役立ちました。
出現頻度は低いんですが、当時はまだ積み込みなどのイカサマがあったので、たまに誰かのチンイツが流れて来るんです。
廃用性委縮とも言うんでしょうか、今は見て考えてもなかなか分かりません。
イカサマは別として、現在ではAbemaTVやyoutubeや天鳳の観戦などで後ろ見し放題です。
おそらくファンにとって可能な学習量は、当時の千倍以上です。
しかもコストは千分の1。費用対効果は抜群の時代なのでぜひ活用を。
これなしでは、効率が悪すぎ。
一局直後の直後の感想戦は、完璧でした。
自分と相手の手牌進行速度のバランス。双方の手役や得点力に関する推理などの戦術的なもの。
戦略的には、相手の着順ならどういう選択をしそうか。それに見合う手が入ってるかどうか。
無理ならどこで折り合いをつけるか、などの推理があり、対人ゲームのおもしろいところです。
独歩さん。
「持ち点の少ない私がチンイツに仕掛けると、とたんにその色が出なくなりそう」
村上プロ。
「そうですね。いや、上家の親方はむしろ鳴かせに行く可能性もあるかも」
など、それぞれの思考が交錯して勉強になりました。
フリー雀荘経営者は感想戦ご法度ですからね。