最初のツモでが重なる。
鬼に金棒、園田に役牌対子。
打とする。
「できればバックで進めたいね。手牌に中張牌が多いんで。」
とはいうものの
「ポン!」
出たものはしょうがない!
「2枚切れているがもう一枚でも出たら苦しいで」
と語る園田は力強くを切った。
相手の攻撃が来る前にアガってしまえという速度マックスの選択!
しかしこの手が鳴けずツモれずでイーシャンテンのまま。
迎えた11巡目に
安全牌のを持ってきた。
牌図を見てみよう。
下家の瑠美がマンズのカンチャンを内から払ってきていて(→)形が良さそう。
対面の松本も上家の岡田も脂っこい中張牌が余ってきて早そう。
「俺はよく頑張ったよ。ここまでだ。」
と言わんばかりに園田はを切り、スリムに構えた。
その直後だった。
岡田「リーチ」
意を決したように親の岡田からリーチが入る。
「よかったぁあああああ!」
前巡に留めた安全牌のの頼もしさよ!
さてここから何を切るかだが、普通はを温存して現物のを切る場面だ。
しかし
・自身の手牌の形がいいこと
・この親さえ蹴ればトップが堅いこと
・岡田の待ちの候補がまだまだあること
の3点から、テンパイしたら今持ってきた押しが見合うと判断し、園田は虎の子であるを場に解き放った。
この選択が、うまく進めていた当半荘の中でも唯一の隙。
さきほどまで感じていた瑠美や松本に対する速度感が抜けてしまった… と後に園田は語った。
それが…
この阿鼻叫喚の地獄絵図を生むことになった!
三軒リーチに手詰まってしまったのだ!
牌図を見てみよう。
全員に通りそうな牌がない。
強いて言うなら瑠美の筋、松本の現物であるか。
しかしこの時、岡田の待ちは…
だった。
パターンAでもBでもなく、ほんの少しの隙をついてきたパターンCが敗因となるのか。
園田は打が頭をかすめるも…
そっとを切った。
松本や瑠美には超危険牌だが、岡田には現物である。