この試合、仲林はノーチャンスの仕方ない放銃を嘆くより、その一手先の切らずを反省した。
親番では、1巡目イーシャンテンの内川に対し、ゼロメンツから懸命に危険スジを先打ちして戦う形を作った。
オーラスは、親リーチへの放銃を耐えて、ラスながら素点を守った。
仲林は、4着だった。
残念ながら、新参者の不振を、揶揄する人もいると思う。
結果を見て、期待外れだったと断ずる人もいると思う。
しかしこの内容と、ひたむきさには。
これから続く果てしない戦いへの確かな信頼を感じることはできないだろうか。
仲林の麻雀を評するなら、鳴きの少ない小林剛タイプといっていい。
オーソドックスで、奇をてらう麻雀ではない。そしてミスらしいミスというのは極端に少ない。
理を伴わない打牌は、まずないと言っていいだろう。
そのキャラクターやイメージとは裏腹に、こんなに麻雀に対して真摯で理知的な選手は、そういるものではない。
最初の不本意な印象などきっと、本人の打牌がこれから払拭してくれることを信じている。
日本プロ麻雀協会1期生。雀王戦A1リーグ所属。
麻雀コラムニスト。麻雀漫画原作者。「東大を出たけれど」など著書多数。
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Twitter:@Suda_Yoshiki
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