この最後の意見が決定打になったか、渋川守る選手に押し切られる形で
が切られます。
次巡、山に4枚残りの![]()
部分が埋まりテンパイ。
イーシャンテンでは脳内会議に参加する権利があった渋川守る選手でしたが、テンパイ時には参加権を失うと脳則の第1条に書かれています。
「ノーテンとテンパイは天と地の差」
「
は通りそう」
「本田選手が序盤に
を切っていてリーチ宣言牌が
なので、
と
では
のほうが使われている可能性がだいぶ高い。![]()
は山にいそう」
「リーチドラ赤は勝負手」
「本田選手との2軒リーチならツモか直撃で決着しそうでトップ丸見え」
「たろう選手、暗カンありがとう」
「試合後のインタビューの準備しといて」
脳内会議室の外で叫ばれた「
と
では危険度が…」という声は指先まで届かず、
を切ってリーチにいくと
雀頭の
が場に2枚切れていたことで自然と選ばれた三色崩れのカン
の手が開かれました。
少し控えめに打っていた昨年とは打って変わって積極的な本田選手の攻撃。
思わぬ放銃となった渋川選手は試合終了後、控室に「
を打った時にどうすればいいのか解らなかった」と肩を落として帰ってきました。
この局面では
まずペン
テンパイは構想に入れずに![]()
![]()
と![]()
を主力と考えていた渋川選手。
余剰牌となる
よりも
のほうが山に残っていそうなので
切りが一番攻撃に優れていると場況を正確に読み切るも、イーシャンテンから
切りは危険なので
を切ってのイーシャンテンという選択をしていました。
イーシャンテンは安全にいって無駄なリスクを減らしてテンパイで攻撃的になるスタイルは上手なバランスの取り方ですが、イーシャンテンでの脳内会議に
と
が参加していなかったことに違和感がありました。
切りは
よりも安全度が高く、
を切った後に![]()
![]()
![]()
が埋まれば安全に![]()
のテンパイが取れる部分が強み。
弱点は山にいそうな
を引いた時に裏目になること。
![]()
や![]()
といったテンパイまで比較的安全なルートを辿れそうなのが特徴です。
切りも
より安全度が高く、
を切った後に![]()
![]()
が埋まれば安全に![]()
のテンパイが取れる。![]()
引きでは新種の無筋を押すことになりますが![]()
のテンパイが取れる。
弱点は山にいそうな
を引いた時に裏目になることや、![]()
が先に埋まった時に
が待ちにならないこと。
リャンメンテンパイへの受け入れの広さが特徴です。
「イーシャンテンから
は押せない」と「
切り」の間に「
や
なら押せるか?」の判定があれば、
放銃とは違う未来が待っていたのかもしれません。
初トップ欲しさとトップ欲しさに無茶をしてはいけないという相反する二つの気持ちからくるプレッシャーか、本来柔軟な思考を持つタイプの渋川選手にしては珍しく選択の幅を狭めてしまったように見えました。
そのアガリ以降も伸び伸びと打つ本田選手。
点数状況的には降りても問題無さそうな松本選手のリーチに対しても、
勝機があるテンパイが入れば一番危険に思える無筋でも気にせず押していきます。
痛恨の放銃から3番手まで落ち、親番を迎えた渋川選手は
厳しい配牌で仕方なく国士無双を狙うも、リーチと仕掛けに挟まれて作戦変更を余儀なくされました。
ここで松本選手に勝負手をツモられてしまうものならラス落ちのピンチということで、本田選手が降りる前に差し込み気味の
切りで悲しみの敗戦処理。
一発でアシストを決めて松本選手のアガリを防ぎました。
これでラス落ちの心配をせずに2着が狙えると開いた配牌は
1局前にも見た風景。
再び端牌を集める人になった渋川選手でしたが
満貫までなら2着に残るたろう選手が本田選手にリーチ赤裏3を放銃をして決着。
「ちょっと本田さんの手牌の
と裏ドラ表示の
を取り替えてハネマンにしてもらっても良いですか?」な渋川選手は3着。
最後にファンの皆さんに一言と促されるも見当違いのほうに話しが逸れて、インタビューでは1年の経験の差を見せられなかった本田選手が大きなトップとなりました。

日本プロ麻雀連盟所属16年目。
一日中麻雀観るか野球観るか漫画読むかして、たまに寝る。
Twitter:@koshishi0610















