マンズは変化十分の四連形にして、安全牌のを持った形だ。トップに向けて猪突猛進ではなく、目の前の着順を守る意識も忘れていない。
しかしここから焦れる展開。
高宮も焦れる。そうこうしている間に……
堀がやってくる! こちらもドラ対子で聴牌すれば文句なし!
瑞原は現状浮いているドラを切る気がなく、三段目に突入したのでここからは降りて祈りをささげる局面。
三者のにらみ合い、大事な大事な先制を取れたのは……
勝又だ!
ツモなら文句なし。脇からの出アガリはトップ狙いなら偶然役二つ以上が必要・二着は無条件。この巡目で1着順上昇があるなら当然見逃しはしないだろう。
そこにドカンと落雷を落とすのは高宮! 両無筋のを切り、卓には戦慄が走る。
高宮は放銃でのラス落ちがある以上、この押しはほぼ聴牌だろう。
決着は……
あとのない堀からが出た!
流局決着での着順上昇のためには自身の聴牌が絶対条件。ワンチャンスで高宮に通りそうなが選ばれるのはやむを得ない。
後は勝又の五連勝、裏二枚以上条件だが……
あまりにあっさりと捲る勝又。本当に自身の5連勝のことなど考えていなかったのだろう。
裏ドラは一枚止まり、2着へ上昇するアガリで幕を閉じた。
僅差に強し、瑞原。再び個人2位まで浮上。本田を視界にとらえた。
勝ちたがりたちの戦いはさらに白熱を帯びていく――
\近代麻雀戦術シリーズ 新刊情報/