あなたは85700点トップを取れますか?
―茅森早香、攻めに攻め続けた大加点劇
文・高倉拓馬【火曜担当ライター】2025年2月18日
第2試合
東家:渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)
南家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
北家:本田朋広(TEAM RAIDEN/雷電)
2/19の第2試合は、東2局にして趨勢がほぼ決まったといっても過言ではないだろう。
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茅森が親で、ホンイツを強く見た打。
ドラが4pで、仕掛けた時に満貫になるルートは残したい手牌だ。
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この選択が見事に成功する。を引いてきて対子にすることに成功し、
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狙い通り白、ホンイツ、ドラの4000オールをアガり切る。
ここから茅森は
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勝又とのめくりあいを制して4000オール、
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6000オールと立て続けにあがり、持ち点は70000点台に。
この時点で、茅森はかなりのレアケースでもない限り、トップをほぼ手中に収めたといっても過言ではないだろう。
さあ、この何もしなくてもトップがかなり濃厚な時、どのように立ち回るのが正解か?
茅森はこの半荘でその「正解」の一つを提示したように思える。
トップを安全に狙いに行くなら、その方法として
「役ありの手を組んで、ヤミテンや仕掛けてのアガリを目指す」
ことは往々にしてある。
その背景には、相手からの攻めが来た時に降りることや、そもそもその攻めが来る前にかわし切ってしまおう、そういう魂胆も含まれているはずだ。
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だが、茅森は親が落ちた東3局でもアクセル全開だ。
役が無くても、待ち枚数が少ないシャンポンであってもお構いなしに、リーチを打っていく。
そう、これこそがその「正解」の一つ
「普段と変わらず、局収支通りに打つ」
ことだ。
何せ今2着の本田との点差は60000点を優に超えている。
ここで仮に満貫を放銃したって40000点差ほどだ。まだまだ怯える必要はない。
それに今親の勝又は本田、渋川と競っている立場。もう60000点差もついている茅森は、トップの順位点が大きいMリーグルールでさえライバルとは認定しづらい。
手牌が良くなければ無理に押さず、2着を狙うことに集中するだろう。
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それによく河を見てみると、全員が序盤に、
、
と打っていて、
は山にいそう。使いづらい牌でもある。
Mリーグルールは、それぞれの順位に与えられるポイントに加えて、素点も1000点が1ポイントで計算される。
この74000点持っている茅森の状況なら、少しリスクを背負ってでも今が一番素点を叩くチャンスだ。
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結果は大きな大きな1人テンパイ。
リーチ棒で差し引いて2000点の収支、そして局の消化にも成功。
南場の親が落ちた南3局でも、茅森の勢いはとどまるところを知らない。
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2巡目にピンフのみのテンパイ、ヤミテンにすれば拾えそうでも茅森はリーチ。
たしかに東1局にこの手牌が与えられたら、おそらく多くの人がリーチすると答えるだろう。それは、トップ率を上げるためだけでなく、その局の収支を最大にしようという目的もあるはずだ。
60000点差が離れているこの状況なら、茅森にとっては「東1局」と同じようなもの。
茅森は局収支に忠実に、少しでも加点できる点数が大きくなる選択を取った。
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さて、この局印象的だったのは各者の表情。
渋川はこの3メンチャン、待ちのド勝負手でテンパイするのだが
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なにやら微妙そうな顔をしている。
この顔になった理由を推測するとしたら2つ。
①下3人の点差。茅森にまかせっきりにすれば、2着で終わることもそこそこ出来そう。