あなたは85700点トップを取れますか?―茅森早香、攻めに攻め続けた大加点劇【Mリーグ2024-25観戦記 2/18 第2試合】担当記者 #高倉拓馬

②茅森のリーチの信頼度。

「オーラストップ目のリーチに役あり存在せず」という考え方がある。

これは私がトップ目の方針として述べた

「役ありの手を組んで、ヤミテンや仕掛けてのアガリを目指す」

の派生で、トップ目なら役があればヤミテンに構えることが多く、したがってリーチが来るということは役がないパターンがよくあるということだ。

だが、渋川は

「茅森が70000点台で、局収支に忠実に動いている可能性」

すなわち

「役ありのリーチが飛んできている可能性」

にも考慮を入れているのだ。

そうなると茅森のリーチは、信頼度が途端に上がる。

しかも、一応トップ目ということもあって、愚形待ちの可能性は少し下がっているだろう。

つまりここで茅森に放銃でもしたら、3着どころかラスまで転落してしまうかもしれない。

それならリスクを最大限回避して、【3ソウ】【6ソウ】【9ソウ】でもヤミテンにするべきか…?

…いや、さすがにこれは3メンチャン。2着率のアップもあるし、何よりこの手は満貫跳満まで見えるド勝負手。

そもそも降りるような手牌でもない。

渋川は腹をくくってリーチを敢行するが、

勝者は茅森。この局の加点を最大化することに成功した。

テンパイを入れていた勝又も、開けられた茅森の手を見て頷いていた。

役あり、それも両面の手が出てくる可能性が高いことを、勝又も織り込み済みだったのかもしれない。

茅森は、結局オーラスピンフ高めドラ1のテンパイでリーチに向かい、

後がなくなった勝又から【8ピン】を一発で捕らえ、

裏が乗って8000点。これをヤミテンにしたときと比べて、7000点の得だ。

この半荘、茅森は85700点の大トップ。

表示されたポイントは実に+105.7、あまり見ることはない3ケタ表示だ。

このポイントを稼ぐためには30000点のトップ2回分が必要で、10000点の4着を2回引いてもまだお釣りが来る、そんな大きな大きなポイントだ。

この半荘を正直に申し上げると、茅森は常に手が入り続け、とんでもなくツイていたと思う。

だが、それはあくまでトップを取るという意味においてはというお話。

皆さんはこの半荘を85700点で終えることが出来ていただろうか?

茅森は、与えられた手牌を全て最大打点でアガリ、素点を稼ぎ切ったと言って過言ではない。

そうしてコツコツ稼いだポイントは、いつか必ず活きてくる。

残り20戦、レギュラーシーズンの通過がかなり安泰なフェニックス。

次のステージまで見据えて、ポイントを伸ばす戦いは続いていく。

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