進撃の巨人たちVSリポーター襟川麻衣子【Mトーナメント2023/6/29 K卓】担当記者:ゆうせー

そこへ、

「ポン」

鳴ける牌が出た。何だ。

仕掛けたのは【7ピン】であった。

ここでの打牌が強烈なので見ていただきたいのだが、藤島は、

【5ピン】を切った!!!

タンヤオでのくっつきイーシャンテン。真ん中の【5ピン】は普通残しておきたいところである。

なぜだろうか。

ここでの意図を、

この日の解説、坂本大志がとても分かりやすく説明していた。

それは、

坂本「このようにマンズを鳴いたときに、『食い伸ばしだったら【5ピン】を残すんじゃないか』と読みをズラすことが出来る」

ということだった。

なるほど。食い伸ばしというのは、出来メンツを含む部分から「新たにターツを作り出す行為」だ。

もしターツが欲しいのなら「くっつきやすい真ん中の【5ピン】を残すのではないか」と他家は読むわけだ。

そうすると、

藤島が仕掛けたタイミングで手から切った、この【8ソウ】が待ちに関連している可能性が高い「ように見える」というカラクリだろう。

他の理由を考えるために、仕掛け出しの場面に戻すと、

【7ピン】のポンなので【5ピン】のくっつきは弱くなっているのも、理由としてある。しかも、【5ピン】はど真ん中の牌だから、ピンズの真ん中は他家も使いやすく、【5ピン】を軸としたターツではアガりにくいという面もあろう。

逆に【8ソウ】周りは対面と上家が早々に切っていて良さそうだ。このソウズの形なら【3ソウ】【6ソウ】引きでも、【7ソウ】待ちのテンパイになる。

しかも、【3ソウ】【6ソウ】【7ソウ】を鳴いてテンパイするルートもあり、考えれば考えるほど、ソウズがつながっているこの牌姿では【8ソウ】残しのメリットは多い。

ここで仕掛けて濃いめの牌である【5ピン】を打つことで、他家にプレッシャーをかけて対応させる効果もあろう。そうなると、さっき仕掛けた「食い伸ばしトラップ」も効いてくる。

そして、繰り返しになるが、

これらの複雑なルートを、「テンポよく」進めつつ、考えられているのがすごいのだ。

「手番で鳴きについて思考整理する」ことなしに仕掛けてくるので、周りからは本当に読みにくいことだろう。

この局は、

小林から【7マン】が打ち出され、

タンヤオ赤赤ドラ、12000は12300のアガリに。

これが決定打となって、1戦目は藤島がトップ。勝ち上がりへと大きく近づいた。

2戦目のハイライトは、竹内のこの牌姿。

親番の10巡目に、

竹内はここから打【7マン】とする。

これを12000のアガリに結びつけ、連荘。そのあとの加点にも成功し、見事トップを獲得した。

K卓の勝ち上がりは、竹内、藤島となった。

そして試合内容以外に、もう一つ特筆しなければならないのは、

Mトーナメントでリポーターを務めている襟川麻衣子プロのことである。

声も聞きやすくて常に笑顔、明るい雰囲気のインタビューを作り出している。

選手に質問をする麻雀の場面も的確で、この日も本当に素晴らしいインタビューであった。私としては、ぜひレギュラーシーズンでもお願いしたいと思う。

特に、2戦目が終わった後のインタビューがとても楽しいものであった。

有料放送につきスクリーンショットが撮れないので、印象に残った箇所を文字起こしをさせていただくことにする。

(画像は1戦目)

Mトーナメントの舞台を「楽しかった」と語った藤島。こう見るとやはり背が高い。

少し話が逸れるが、実況の日吉は放送中に藤島の作戦をバラしていた。その作戦は「あんまり鳴かないよ」という驚きのものだった。

要するに藤島は、仕掛け多用型というスタンスをとりながら、裏もかける自在型なのだろう。次の試合も楽しみだ。

もう一人の通過選手、竹内は、先ほど取り上げた、

親番での【7マン】切りの意図を襟川に聞かれ、

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